化粧品OEM比較

化粧品OEMの会社の選び方|比べる8項目・公式サイトで見るところと問い合わせで聞くこと・許可の確かめ方・会社一覧の使い方・返事の比べ方と断り方

化粧品のOEMとは、自分のブランドの化粧品を、化粧品を作る許可を持つほかの会社(OEM先)に作ってもらうことです。OEM先は全国にたくさんあり、どの公式サイトにも「小ロット対応」「一貫サポート」のような似た言葉が並ぶので、どこに頼めばよいか決めかねる人が多いはずです。

会社を選ぶときに見るのは、評判や会社の大きさではなく、「自分の作りたいものを、自分の数で、自分の期限までに、法律の決まりを守って作れるか」です。それを確かめる項目は、許可・作れる品目・最小ロット・処方開発・試作・届出の代行・表示の確認・期間の8つに分けられます。

結論

  • 会社は、8つの項目を同じ物差しで比べて選んでください。会社一覧の9社のうち、8項目すべてを公式サイトに書いていた会社は1社、4項目以下の会社は3社でした。書いていないことは「できない」ではなく、問い合わせで聞いて埋めます。
  • 許可は、会社の自己申告ではなく、都道府県が公開している許可業者の名簿や、許可証の写しで確かめられます。「製造販売業」と「製造業」は別の許可で、どちらを持っているかで頼める範囲が変わります。
  • 候補は3社に絞り、同じ文面で問い合わせてください。返事を項目ごとに並べて1社に決めたら、残りの会社にはなるべく早く断りの連絡を入れます。
比べる項目 公式サイトで見る 問い合わせで聞く
許可 会社概要の許可 製造販売元は誰か
作れる品目 製品の一覧 自分の品目は可か
最小ロット 最小ロットの数 2回目以降の数
処方開発 ゼロから考えるか 既存の処方があるか
試作 無償か・何日か 何回まで無償か
届出の代行 薬事の代行の記載 誰の名前で出すか
表示の確認 表示の案を作るか 販売ページも見るか
期間 目安の記載 工程ごとの月数

許可の種類と確かめ方

化粧品の許可は、「市場に出す責任を持つ」ための許可と、「工場で作る」ための許可の2つに分かれています。大阪府の手引きでは、化粧品製造販売業は、化粧品を国内の市場に出すための許可で、製造販売業者は製品の品質と安全性を確保する責任を負うとされています。一方で、化粧品製造業は、化粧品を作る(包装・表示・保管を含む)ための許可です。

許可の種類 できること 頼む側にとっての意味
化粧品製造販売業 市場に出す 製造販売元になれる
化粧品製造業 工場で作る 中身を作り、詰められる
医薬部外品の許可 薬用を扱う 薬用化粧品を頼める

製造販売業の許可だけを持つ会社は、作る仕事をほかの工場に出します。反対に、製造業の許可だけを持つ会社は、作ることはできても、自分のブランドの製造販売元(化粧品を市場に出す責任を持つ会社)にはなれません。なので、OEM先に製造販売元を任せたいなら、製造販売業の許可を持つ会社を選び、中身をどこの工場で作るかもあわせて聞いてください。製造販売元を誰が引き受けるかの決め方は、自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可で確かめられます。

「薬用」とうたう化粧品を作りたいなら、医薬部外品の許可も要ります。承認の期間と手数料は、薬用化粧品(医薬部外品)をOEMで作るときで確かめられます。

許可を持っているかは、公式サイトの記載だけで決めないでください。都道府県によっては、許可を受けている会社の名簿を公開しています。たとえば福岡県は、薬機法の許可や登録を受けている事業者の名簿を公開している(2026年4月1日現在)。その名簿では、製造販売業の許可を受けている者と、製造業の許可を受けている者が別々に分かれていて、化粧品はそれぞれ別のファイルです。

福岡県の「化粧品製造販売業許可業者一覧」の見本数字は仮

許可番号40C0X0○○○○①
製造販売業者名称〇〇化粧品株式会社②
主たる機能を有する事務所の所在地福岡県〇〇市……③
許可期限2029/03/31④
  1. ①会社に許可証の写しを見せてもらい、同じ番号かを見る
  2. ②公式サイトの社名と同じか。製造業の名簿では、本社ではなく工場の名前で載っていることがある
  3. ③許可は、この事務所のある都道府県が出す。候補の会社の名簿は、この都道府県のサイトで探す
  4. ④製造販売業と製造業の許可の有効期間は、許可日から5年間。期限が近い会社には、更新の予定を聞く

名簿が見つからない都道府県もあります。そのときは、会社に許可証の写しを見せてもらい、許可の種類と有効期間を読んでください。製造業の許可は工場ごとに出るので、中身を作る工場が別の会社なら、その工場の許可もあわせて聞くと安心です。

会社一覧の9社の公式サイトで「許可」を確かめた結果
会社一覧に掲載9社
許可の種類を記載6社
化粧品製造業の許可も記載6社
医薬部外品製造販売業も記載6社

許可の種類を公式サイトに書いていない3社も、許可を持っていないとは限りません。また、製造販売業の許可を書いている会社でも、「製造販売元として引き受けます」と明記していた会社は0社でした。なので、許可の有無と、製造販売元を引き受けるかどうかは、別々に聞いてください。

9社の公式サイトに書いてあること

化粧品OEMの会社一覧に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、8つの項目について何を書いているかを数えました。

比べる項目 公式サイトに書いている会社
許可の種類 6社
作れる品目 8社
最小ロット 6社
処方をゼロから考える 6社
試作の費用・期間・確かめること 6社
届出を代わりに出す 5社
容器や箱の表示を作る・確かめる 3社
納品までの期間の目安 4社

8項目すべてを書いていた会社は1社で、4項目以下の会社は3社でした。書いている項目の数が少ない会社は、公式サイトに載せていないだけのことも多いので、候補から外すのではなく、問い合わせで聞く項目が多い会社だと考えてください。

項目の中身を細かく見ると、次のとおりでした。

項目ごとの詳しい決まりは、別の記事で確かめられます。最小ロットと費用の分け方は化粧品OEMの費用の内訳と見積書の読み方、処方づくりと試作で確かめることは化粧品に使えない成分と、処方づくりの進め方、届出と期間は化粧品OEMの流れと期間、容器や箱の表示は化粧品の容器・箱・ラベルの選び方、販売ページで言える言い方は化粧品の広告・販売ページで言えること/言えないことです。

会社一覧の使い方

化粧品OEMの会社一覧は、公式サイトで社名と所在地を確かめた会社だけを、都道府県の順に並べた表です。順位やおすすめは付けていないので、上から順に見るのではなく、列で絞ってください。

会社一覧の表の見本:列の見方数字は仮

名称〇〇化粧品株式会社①
所在地大阪府
対応する剤形(公式記載)化粧水・美容液・クリーム……②
最低ロット(公式記載)1000本から③
許可・認証(公式記載)化粧品製造業・化粧品製造販売業……④
確認日2026年10月18日⑤
  1. ①社名を押すと各社のページが開き、処方開発・届出・試作・期間などについての公式サイトの原文と出典が見られる
  2. ②「剤形」は、化粧水・クリーム・シャンプーといった化粧品の形の種類。自分の品目が無くても、作れないとは限らない
  3. ③空欄は、公式サイトに記載が無いという意味。問い合わせで聞く
  4. ④公式サイトの記載をそのまま写したもの。名簿か許可証で確かめる
  5. ⑤公式サイトを最後に読んだ日。それ以降に変わっていることがある

候補は、次の順に絞ると3社に収まりやすくなります。

候補を3社に絞る順番
  1. 1品目で絞る「対応する剤形」に自分の品目か、近い品目があるか
  2. 2ロットで絞る「最低ロット」が、自分が1回に作りたい数以下か。空欄の会社は残しておく
  3. 3許可で絞る製造販売元を任せるなら化粧品製造販売業、薬用なら医薬部外品の許可があるか

シャンプーやトリートメントを作るならシャンプー・ヘアケアをOEMで作るとき、日焼け止めなら日焼け止めをOEMで作るときで、その品目で聞くことを足してください。サロンやクリニックで小分けして売ろうとしているなら、先にサロン・クリニックでの小分け・詰め替え・手作りは「製造」に当たるかを読んでから、作る数を決めてください。

問い合わせの文面と返事の見方

最初の問い合わせは、仕様が決まっていなくても送れます。ある会社は、打ち合わせの前に品目(使用目的)・希望するロット数・商品のコンセプト・販売ルート・発売時期の目安・中身(バルク)のイメージを整理しておくと話が早いと書いています。3社に同じ文面で送ると、返事を同じ項目で並べられます。

最初の問い合わせメールの見本数字は仮

件名化粧水のOEMのご相談(〇〇サロン・初回1,000本)①
作りたいもの化粧水120mL、しっとりした使い心地。参考にしたい市販品は〇〇②
数と時期初回1,000本。2027年4月に発売したい③
製造販売元製造販売元は御社になっていただけますか④
聞きたいこと最小ロットと2回目以降の数、試作は何回まで無償か、届出と表示の案はどこまでお願いできるか、工程ごとの期間⑤
自分の状況化粧品を作るのは初めてで、許可は持っていません⑥
  1. ①品目と数を件名に入れると、担当の部署に回りやすい
  2. ②決まっていなくてよい。参考にしたい市販品を1つ挙げると、中身の方向が伝わる
  3. ③発売したい月を書く。OEM先は、ここから逆算して段取りを組む
  4. ④最初に聞く。許可を持つ会社でも、引き受けるかどうかは別
  5. ⑤8項目のうち、公式サイトに書いていなかった項目を聞く
  6. ⑥自分の知識の程度を先に伝えると、専門用語の少ない返事と、具体的な提案が返ってきやすい

返事が来たら、「できます」と書いてあるかではなく、条件が書いてあるかを見てください。

返事の見方

並べて比べられる返事

  • 数・費用・期間が、「1,000本なら」「処方が決まってから」のように条件つきで書いてある
  • できないことと、別料金になることが書いてある
  • 製造販売元を引き受けるかどうかに、はっきり答えている

聞き返す返事

  • 「対応可能です」だけで、数や条件が無い
  • 期間が「全体で約◯か月」だけで、試作・資材・生産の内訳が無い
  • 製造販売元についての答えが無い

問い合わせの段階で出る金額は、仮のものです。会社一覧の9社のうち、正式な見積もりは処方や仕様が決まってから出すと公式サイトに書いていた会社は5社で、ある会社は値段が品目・容器・中身の仕様・内容量・数量で変わると書いています。なので、この段階の金額の差で決めず、試作品の使い心地と、8項目の答えで決めてください。

8項目の答えがそろう会社が2社以上あるなら、試作品を使い比べて決めてください。契約の前に決めておくこと(処方の持ち主・余った資材・回収の費用)は、化粧品OEMの契約書で決めることで確かめられます。

決めなかった会社への断り方

返事をくれた会社は、試作や見積もりに時間をかけています。1社に決めたら、その週のうちに、残りの会社へ断りの連絡を入れてください。

断りのメールの見本数字は仮

件名化粧水のOEMのご相談の件(〇〇サロン)①
お礼お見積もりと試作品をいただき、ありがとうございました
結論今回は、ほかの会社に依頼することにいたしました②
理由初回の数と発売時期の条件が、今回の計画に合いませんでした③
いただいたもの試作品と処方のご提案は、御社のご指示どおりに返却か廃棄いたします④
今後別の品目を作るときに、またご相談させてください
  1. ①問い合わせのときと同じ件名にすると、相手が履歴をたどれる
  2. ②決めた会社の社名と金額は書かない。値引きを引き出す材料にもしない
  3. ③理由は1つを短く。相手を責める書き方にしない
  4. ④試作品や処方の案は、OEM先の情報。決めた会社に見せない。秘密保持の約束があれば、それに従う

断ったあとも、2回目の品目で同じ会社に頼むことはよくあります。なので、断りの連絡は、関係を切る文ではなく、次につなぐ文として書いてください。

今日やること

  1. 1候補を3社に絞る化粧品OEMの会社一覧で、「対応する剤形」「最低ロット」「許可・認証」の3列を見て選ぶ
  2. 2同じ文面で送る3社に「化粧水120mLを初回1,000本、2027年4月発売で作りたいです。製造販売元は御社がなっていただけますか。最小ロットと2回目以降の数、試作は何回まで無償か、届出と表示の案はどこまでお願いできるか、工程ごとの期間を教えてください」と送る
  3. 3返事を並べる8項目を縦に書いた紙に3社の答えを書き込み、条件の無い答えに印をつけて聞き返す

出典