OEMは、自分のブランドの化粧品を、ほかの会社に作ってもらうしくみです。「沖縄の化粧品」には、沖縄の工場で作ることと、沖縄で採れた原料を使うことの2つの意味があります。
2つは別の話です。沖縄の工場で作っても、原料は県外産のことがあります。反対に、県外の工場で沖縄の原料を使うこともあり得ます。なので、何を沖縄にしたいかを先に決めてください。
沖縄の4社は、どこで作っている?
公式サイトを2026年10月27日に読むと、4社とも自社の工場で作ると書いていました。ただし、工場がどこにあるかまで書いていたのは2社でした。
並び順に意味はなく、会社の良し悪しを比べる表ではありません。
| 会社 | 会社の住所 | 工場(公式の記載) |
|---|---|---|
| アットモア | 沖縄県浦添市 | 沖縄本島内(市町村の記載なし) |
| グローバルボタニクス | 沖縄県那覇市 | 自社工場(住所の記載なし) |
| サンシャトゥー | 沖縄県石垣市 | 石垣島 |
| ポイントピュール | 沖縄県島尻郡久米島町 | 自社工場(住所の記載なし) |
アットモアは、沖縄本島内に、化粧品製造業と製造販売業の許可を取った自社工場があると書いています。会社の目標として、沖縄で育ったものを、沖縄で一貫して製造することも挙げています。サンシャトゥーは、自社を八重山諸島の石垣島にある、化粧品製造の認可を受けた工場としています。
グローバルボタニクスは、製造は自社工場で行うと書いています。ポイントピュールは、ISO9001とISO22716の認証を取った自社工場で作るとしています。この2社は、工場の住所を書いていませんでした。
窓口が県外にある会社もあります。ポイントピュールは、本社が久米島町で、東京都港区(東京営業所)にも営業所を置いています。東京の窓口に問い合わせるときも、どこの工場で作るかを聞いてください。
工場の場所を島まで書いている
- アットモア(沖縄本島内)
- サンシャトゥー(石垣島)
- 試作の受け取りや立ち会いの移動を考えやすい
工場の住所を書いていない
- グローバルボタニクス(自社工場)
- ポイントピュール(自社工場。東京にも営業所)
- 「どの島の、どこの工場で作るか」を聞く
商品のラベルに出る住所は、工場の住所とは限りません。薬機法では、容器に書くことの1つを製造販売業者の名前と住所としています。「沖縄県で製造」とうたいたいなら、工場の住所を会社から聞いて確かめてください。
県産の原料は、どの島の何か?
4社とも、島の名前をつけた素材を公式サイトに載せていました。ただし、OEMで使える素材として並べていたのはアットモアだけで、ほかの3社は自社商品や会社の強みとしての紹介でした。
| 会社 | 島の名前つきの素材 | 載せている場所 |
|---|---|---|
| アットモア | 長命草・もずく・クチャなど | OEM向けの素材一覧 |
| グローバルボタニクス | 与那国島の海塩 | 自社商品の説明 |
| サンシャトゥー | 石垣島のハーブや島の素材 | 自社商品の説明 |
| ポイントピュール | 久米島の海洋深層水 | 会社の強みの紹介 |
アットモアは「沖縄素材一覧」というページで、OEMに使える素材を並べています。産地の島や地域まで書いていた素材は、たとえば次のとおりです。
- 長命草は、与那国島に自生するセリ科の植物としています
- もずくは、国産もずくの生産量が一番多い沖縄のもずくとしています
- クチャは、沖縄の中でも本島や中南部にしかない、海底に積もった古代の泥としています
- ドロマイトは、北大東島の化石を掘り出して、細かく砕いたものとしています
ただし、同じ一覧には、沖縄産と書いていない素材もあります。マンジェリコンはブラジルが原産のハーブ、モリンガは国産のモリンガと書かれていました。一覧に載っている素材でも、沖縄で採れたとは限りません。素材ごとに産地を聞いてください。
ほかの3社の書き方は、次のとおりです。
- グローバルボタニクスは、自社のバスソルトの説明で、与那国島で採れる天然の海塩を使うと書いています。OEMでも同じ塩を使えるかは聞いてください
- サンシャトゥーは、石垣島のハーブや島の素材を研究して原料にし、自社の商品に入れていると書いています。自社商品の説明なので、OEMでも同じ素材を使えるかは聞いてください
- ポイントピュールは、「久米島海洋深層水」という見出しで、化粧品のベースに、水深612mからくみ上げた海洋深層水を使っていると書いています。OEMでも使えるかは、問い合わせで確かめてください
県産の原料を商品の表に大きく書くときは、書き方に決まりがあります。国の通知では、特定の成分を取り上げて書くことはその成分が薬の有効成分のように誤解されるおそれがあるので、原則として行わないとされています。取り上げるなら、特定の成分を取り上げて書くときは、配合目的(何のために入れたか)を必ず一緒に書くとされています。「月桃配合」のように書く前に、化粧品の広告で言える効き目と言い換え方で確かめてください。
何個から頼める?
1回に頼める一番少ない数(最小ロット)は、個数で書く会社と、中身の重さで書く会社に分かれました。
- アットモアは、OEMのページで1,000個からと書いています。よくある質問では、最低仕込み50kgからとしています
- グローバルボタニクスは、化粧水・美容液・保湿クリームは200個からが目安としています。ただし、数はあくまで目安で、最小ロットとしての数は決めていないとも書いています
- サンシャトゥーは、最低製造量(最小ロット)5kgからとしています。SDGsの考えに沿った商品づくりの企画だけを受け付けるとも書いています
- ポイントピュールは、150mLの化粧水なら、500本から作れる場合があると書いています
アットモアのように、個数と重さの両方を書く会社もあります。重さを自分の容量で割ると、個数の書き方とずれることがあります。
- 1回に作る最小の量
- 最低仕込み50kgから(アットモアのよくある質問の記載)
- 仮の1本の容量
- 150mL(1mLを1gとして概算)
- 本数の目安
- 50,000g ÷ 150g ≒ 333本
※ 150mLは仮の数です。実際の本数は、中身の重さや詰めるときの減り分で変わります
※ 同社はOEMのページで1,000個からとも書いているので、自分の品で何個からかを聞いてください
計算の本数と、会社が書く個数が違うときは、どちらで受けてもらえるかを聞いてください。少ない数から始めるときの考え方は、化粧品OEMを小ロット100個で頼む費用と条件で確かめられます。
試作の費用と期間を書いていたのは、サンシャトゥーです。試作品は1アイテム1,650円(税込)としています。固形石鹸はコールドプロセス製法のため、試作品を受け取れるのは約90日後とも書いています。固形石鹸を作りたいなら、製法と熟成の期間を石鹸OEM小ロットの製法・最低数・包装の比べ方で確かめられます。
許可は、どこで確かめる?
沖縄県の案内では、作るなら化粧品製造業、自社製品として市場に出すなら化粧品製造販売業の許可が要るとされています。また、製造業の許可には「一般区分」と「包装・表示・保管」の2つの区分があるとされています。
ラベル貼りや箱詰めも、製造に入ります。沖縄県の案内では、決まった表示を製品に貼る作業は「表示」に含まれるとされています。なので、中身を作る工場と、ラベルを貼る場所の両方に許可が要ります。「沖縄で作った」とうたうなら、どの作業をどこで行うかも聞いてください。
沖縄県の4社のうち、化粧品の許可番号を公式サイトに書いていたのは3社でした。たとえばグローバルボタニクスは、化粧品製造業の許可番号(47CZ200053)などを載せています。アットモアは許可を取ったと書いていますが、番号は書いていませんでした。
自分のブランドで売るときは、誰が製造販売元(市場に出す責任を持つ会社)になるかを決めます。製造販売元になる会社は、品目ごとに、前もって都道府県知事へ製造販売届を出す必要があります。自分で許可を取るか、OEM先に製造販売元になってもらうかは、化粧品OEMに必要な許可と製造販売元の決め方で確かめられます。
4社で合わないときは、どうする?
沖縄県の会社は4社なので、品目や数が合わないことがあります。そのときは、何を沖縄にしたいかに戻って考えてください。
- 沖縄の工場で作りたいなら、4社に同じ文面で聞いて、品目と数を比べる
- 沖縄の原料を使いたいだけなら、県外の会社に、原料を持ち込めるかを聞く
- どちらも決まっていないなら、品目と数を先に決めてから探す
県外の会社は、化粧品OEMの会社一覧で品目と最小ロットから探せます。持ち込む原料は、仕入れ先から規格書や安全データシート(SDS)をもらえるかを先に確かめてください。
次にやること
- 1沖縄にしたいものを決める工場の場所か、原料の産地か、その両方かを書き出す
- 24社に同じ文面で聞く「どの島のどこの工場で作りますか。使える県産原料と、その産地を教えてください。150mLなら何本から作れますか」と送る
- 3合わなければ全国から探す化粧品OEMの会社一覧で品目と最小ロットを見て、原料の持ち込みができるかを聞く