化粧品OEM比較

化粧品OEMの費用の内訳と見積書の読み方|見積書の項目・一度だけの費用と1個ごとの費用・掲載9社の費用の記載・値段が変わる条件

化粧品OEMの見積書は、OEM先(化粧品を作ってくれる会社)が、「この中身を、この容器に詰めて、この数だけ作ると、いくらになるか」を項目ごとに書いた書類です。項目の名前やまとめ方は会社によって違うことがあるので、合計の金額だけでなく、項目の中身を読み解いてから比べます。

結論

  • 見積書の項目は、一度だけかかる費用(処方開発・試作・版や型など)、作るたびにかかる費用(検査・送料など)、1個ごとにかかる費用(中身・容器・箱・詰める手間)の3つに分けて読んでください。
  • 正式な見積もりは、処方と仕様と数が決まってから出ます。会社一覧の9社のうち、公式サイトにそう書いていたのは5社で、金額を載せていたのは1社だけでした。
  • 値段は、ロット(1回に作る数)・容器・処方で変わります。条件をそろえて2社以上に頼み、「一式」と「別途」の中身を聞いてから並べてください。

見積書の見本(例:化粧水120mL・1,000本)数字は仮

処方開発費一式 100,000円①
試作費3回まで無償①
バルク代(中身)1本 150円②
容器・キャップ代1本 120円②
化粧箱代1枚 40円②
版代(ボトル2色・箱1色)一式 30,000円③
充填加工費1本 50円④
箱詰め・シュリンク1本 20円④
品質検査費一式 20,000円⑤
薬事届出代行一式 10,000円⑥
配送料別途⑦
  1. ①一度だけの費用。試作が無償なら、何回まで・どんな原料までかを聞く
  2. ②1個ごとの費用。作る数を変えると単価も変わるかを聞く
  3. ③色の数だけ版を作る。同じデザインで2回目を頼むときにも要るかを聞く
  4. ④容器に詰める手間と、箱に入れる手間。ラベル貼りやフィルム包装まで入っているかを聞く
  5. ⑤作るたびにかかるか、1回目だけかを聞く
  6. ⑥届出を出すのは製造販売元。誰の名前で何を届け出る費用かを聞く
  7. ⑦「別途」は合計に入っていない。どこまで届けて、いくらかを聞く

見積書の項目の名前

見積書には、ふだん聞かない名前の項目が並びます。名前ごとに、何の費用かを置き換えると次のとおりです。

見積書の名前 何の費用か
処方開発費 中身の配合づくり
試作費・サンプル代 ためしに作る費用
バルク代 中身そのもの
資材費・容器代 容器・キャップ・箱
版代・型代 刷る版・容器の型
版下作成費 印刷の元のデータ
充填加工費 容器に詰める手間
包装・箱詰め 箱に入れる手間
検査費 品質の検査
薬事・届出代行 届出を出す手続き

同じ費用でも、会社によって名前が違ったり、「製造加工費 一式」のように、いくつかの費用を1行にまとめていたりします。1行にまとめた「一式」の行は、何がいくつ入っているのか、内訳を出してもらってください。

バルクとは容器に詰める前の中身のことで、処方(どの原料をどれだけ入れるかという配合)が決まると、バルク代が決まります。処方づくりと試作の進め方は、化粧品に使えない成分と、処方づくりの進め方で確かめられます。

一度だけ・作るたび・1個ごと

見積書の項目は、払い方で3つに分かれます。3つに分けておくと、2回目に注文するときの見積もりで、どの行が残り、どの行が消えるはずかが分かります。

見積書の項目の3つの分け方

一度だけかかる

  • 処方開発・試作
  • 版・型(デザインや形を変えないなら、2回目に要るかを聞く)
  • 版下(印刷の元のデータ)づくり

作るたびにかかる

  • 品質の検査
  • 機械の準備(段取り)
  • 送料(届ける回数ごと)

1個ごとにかかる

  • 中身(バルク)・容器・キャップ・箱・ラベル
  • 容器に詰める手間・箱に入れる手間

どの項目をどこに入れるかは会社によって違うので、見積もりを頼むときに「この3つに分けて書いてください」と頼んでおくと、会社どうしを比べやすくなります。一度だけの費用を作る数で割って1個あたりを出す計算は、自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可の「最小ロット・費用・期間の聞き方」で確かめられます。

版や型の費用が、色の数や容器の形でどう増えるかは、化粧品の容器・箱・ラベルの選び方の「少ない数で作るときの費用」で確かめられます。

9社の公式サイトの費用の記載

化粧品OEMの会社一覧に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、費用と見積もりについて何を書いているかを数えました。

会社一覧の9社の公式サイトで「費用・見積もり」を確かめた結果
会社一覧に掲載9社
正式な見積もりは仕様が決まってから5社
概算の費用を出すと記載3社
金額を載せている1社

正式な見積もりについて、ある会社は容器と中身の相性も確かめ、最終的な仕様と処方が決まった段階で正式な見積もりを作ると書き、別の会社は品目・仕様・作り方・数・納期が決まってから見積書を出すと書いています。なので、正式な金額は、試作と容器の検討が済んでから出るものと考えておいてください。

概算(おおよその金額)については、会社によって分かれました。

残りの8社は、金額を1つも公式サイトに載せていませんでした。なので、ほかの記事やサイトにある「相場」ではなく、自分の条件で取った見積書どうしを比べてください。

公式サイトに書いてあること 会社の数
試作は無償(条件つき) 3社
費用が何で変わるか 2社
別途費用になる作業 1社
見積もりは無料 1社
どれも書いていない 1社

試作を無償と書く3社も、条件を添えています。ある会社は本生産を前提にした試作品づくりは無償としつつ、モニターテスト用などの大量の試作は、費用がかかることがあると書き、別の会社はテストモニター用など数が多い試作は有償としています。

別途費用になる作業として、ある会社は版下(印刷の元のデータ)を作ってもらう費用は別途、ホームページや販促資料など、製品以外の表現の確認は別途費用と書いています。各社の記載の原文は、化粧品OEMの会社一覧の各社のページで見られます。

値段が変わる条件

ある会社は、値段が品目・容器・中身の仕様・内容量・数量によって変わると書き、別の会社は、ロット数・製品の仕様・香り・容器の形などで費用が変わると書いています。このうち、ロット・容器・処方の3つが、見積書のどの行を動かすかを並べると次のとおりです。

値段が変わる3つの条件と、見積書で動く行

ロット(1回に作る数)

  • 1個ごとの行の単価が変わることがある
  • 一度だけの費用を割る数が変わる
  • ある会社は、1,000本より少ない数で作ると、容器や箱の選べる幅が狭くなり、1本あたりが割高になると書いている

容器

  • 容器・キャップ代、版代、型代が動く
  • 既製の容器(すでに売られている形)か、形から作る容器か
  • 持ち込みの容器は、作業できるかを先に確かめてもらう

処方

  • バルク代が動く
  • 入れる原料・香り・量
  • 試作の回数や原料によって、試作費が出ることがある

ロットについて、同じ会社は、効率よく作れる数(経済ロット)を3,000本からとしています。最小ロット(1回に頼める一番少ない数)を公式サイトに書いている会社は6社あるので、最小ロットだけでなく、1,000本と3,000本のように数を2通りにして見積もってもらうと、数でどの行が変わるかが見えます。

見積もりの頼み方と比べ方

2社以上の見積書を並べるときは、頼む条件をそろえることがいちばん大事です。条件がずれていると、合計の金額が安く見えても、中身の量や容器の違いが値段の差になっているだけのことがあります。

見積もりを頼むときに送ること
  1. 1条件をそろえる品目・容器・仕様(中身の特徴)・内容量・数を、どの会社にも同じ文面で送る
  2. 2数を2通りにする「1,000本と3,000本の両方で見積もってください」と頼む
  3. 33つに分けてもらう「一度だけの費用、作るたびの費用、1個ごとの費用に分けて書いてください」と頼む
  4. 4入っていない費用を聞く「この見積もりに入っていない費用(送料・版下・表示の確認など)を書き出してください」と頼む

見積書が届いたら、まず「別途」と「一式」の行に印をつけ、別途の金額を聞いて足してから、合計を比べてください。たとえば、届出の代行を公式サイトに書いている会社は5社、販売ページなどの表現の確認まで書いている会社は1社(別料金)なので、どこまでが見積もりに入っているかは会社ごとに違います。

正式な見積もりは処方と容器が決まってから出るので、見積もりを頼むのは、問い合わせ→試作→容器の検討のあとになります。問い合わせから納品までのどこで見積もりが出るかは、化粧品OEMの流れと期間で確かめられます。

処方開発費を払っても、処方が自分のものになるとは限りません。処方の持ち主や、余った容器・箱の買い取りは、化粧品OEMの契約書で決めることで確かめてから、見積もりと一緒に決めてください。

今日やること

  1. 1条件を1枚に書く品目・容器(既製か、形から作るか)・内容量・入れたい成分・作る数(2通り)を、A4の紙1枚にまとめる
  2. 2候補を3社に絞る化粧品OEMの会社一覧で、作りたい品目と最小ロットを見て選ぶ
  3. 3同じ文面で頼む3社に「1,000本と3,000本で、一度だけの費用・作るたびの費用・1個ごとの費用に分けて見積もってください。見積もりに入っていない費用も教えてください」と送る

出典