化粧品の「資材」とは、中身(化粧水やクリームそのもの)以外の部品のことで、ボトル・ポンプ・チューブ・ジャー(ふたのついた、つぼの形の容器)・外箱・ラベルなどを指します。資材は見た目を決めるだけでなく、中身の品質を守る役目と、法律で決められた表示を載せる場所の役目も持っています。
結論
- 資材は、OEM先に手配を任せるか、自分で用意してOEM先に渡すかを最初に決めてください。会社一覧の9社のうち、資材の手配を引き受けると書いていたのは6社、持ち込みの容器でも作ると書いていたのは2社でした。
- 容器を決める前に、試作品を本番の容器に入れて、中身との相性を確かめてもらってください。作ってから3年たたないうちに品質が変わるおそれがあるなら、容器に使用期限を書くことになります。
- 容器の形やデザインを指定してOEM先に作ってもらう自分の会社には、容器包装リサイクル法の義務がかかります(小さな事業者は除きます)。プラスチックや紙の容器・箱に付ける識別マークは、小さな事業者でも省けません。
OEM先に任せる
- 容器の候補をOEM先に出してもらう
- 中身との相性を、OEM先が一緒に確かめる
- 資材の発注と置き場所は、OEM先が受け持つ
自分で用意して渡す
- 使いたい容器を、自分で選べる
- 品質に響くおそれのある容器は、断られることがある
- 作業できるかを見てもらうため、前もって容器を渡す
- 買った資材の在庫と置き場所は、自分で受け持つ
資材の種類
資材は、中身が直接入る容器と、その外側の箱やラベルに分かれます。資材ごとに、決めることを書き出すと次のとおりです。
| 資材 | 決めること |
|---|---|
| ボトル | 材質・色・容量 |
| ポンプ・キャップ | 1回に出る量 |
| チューブ | 材質・口の形 |
| ジャー | 材質・ふたの形 |
| 外箱 | 紙の種類・色 |
| ラベル | 紙かフィルムか |
ボトルとポンプのように、組み合わせて使う資材は、それぞれ別の資材メーカーから仕入れることもあります。たとえばある会社は、缶・バルブ・ボタン・キャップといった資材ごとに、資材メーカーへ発注すると書いています。
法律では、中身が直接入っている容器を「直接の容器」、その外側の箱などを「外部の容器」と呼び分けています。どちらに何を書くかは、後の「外箱とラベルに書くこと」の章で確かめられます。
資材の手配を誰がするか
化粧品OEMの会社一覧に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、資材について何を引き受けると書いているかを数えました。
| 公式サイトに書いてあること | 会社の数 |
|---|---|
| 資材を手配する | 6社 |
| 持ち込みの容器でも作る | 2社 |
| 容器や箱のデザインを提案する | 4社 |
| デザインのデータは自分で用意 | 2社 |
| 箱詰めやラベル貼りまでする | 4社 |
資材の手配は、半分を超える会社が引き受けると書いています。一方で、持ち込みの容器について、ある会社は「容器が品質に影響するおそれがあるときは断ることがある」と書き、別の会社は「作業できるかを確かめるので、前もって容器を渡してほしい」と書いています。
デザインのデータについては、2社が、版下(印刷するための元のデータ)は自分の側で用意することが多いと書いていて、そのうち1社は、版下を作ってもらう場合は別に費用がかかると書いています。なので、見積もりを頼むときは、「容器の手配」「デザイン」「版下づくり」「箱詰めとラベル貼り」のどこまでを頼むのかを書いて送ってください。
自分で用意した資材や、余った資材が誰のもので、どこに置くかは、化粧品OEMの契約書で決めることを見ながら、契約で決めておけます。
少ない数で作るときの費用
容器・箱・ラベルといった資材ごとの最小ロット(1回に頼める一番少ない数)を公式サイトに書いている会社は、0社でした。中身の最小ロットを書いている会社は6社ありますが、資材のロットは資材メーカーや刷り方で変わるので、見積もりで1つずつ聞くことになります。
ある会社は、1,000本より少ない数で作ると、容器や箱の選べる幅が狭くなり、1本あたりが割高になると書いています。同じ会社は、資材とデザインの提案に約3か月を見込んでいるので、資材は中身づくりと並べて早めに相談を始めてください。資材の手配が流れのどこに入るかは、化粧品OEMの流れと期間で確かめられます。
資材の費用は、一度だけかかる費用(印刷の版や、特別な形の容器の型)と、1個ごとにかかる費用(容器・箱・ラベルそのものと、刷る手間)に分かれます。色ごとに版を作る刷り方では、色の数が増えるほど、一度だけかかる費用も増えます。
- ボトルの版(2色 × 1万円)
- 2万円
- 外箱の版(1色 × 1万円)
- 1万円
※ 500本作るなら1本あたり60円、3,000本作るなら1本あたり10円になります。作る数が少ないほど、一度だけの費用が1本あたりに重くのります。
※ 数字は、数え方を説明するための仮のものです。実際の値段は見積もりで確かめてください。
見積もりでは、「版や型の費用」「資材1個の値段」「刷る手間賃」を分けて出してもらうと、会社どうしを比べやすくなります。中身も含めた1個あたりの値段の出し方は自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可の「最小ロット・費用・期間の聞き方」で、見積書のほかの項目の読み方は化粧品OEMの費用の内訳と見積書の読み方で確かめられます。
印刷の方法
容器に名前やロゴを入れる方法は、主に、容器に直接刷る方法と、刷ったラベルを貼る方法に分かれます。よく名前の出る3つを比べると、次のとおりです。
シルク印刷
- 網目の版を通して、インクを容器に直接刷る
- 色ごとに版を作る
- 刷った文字は、あとから直せない
ホットスタンプ
- 金や銀の箔を、熱と圧力で押しつける
- 箔を押すための型を作る
- ロゴなど、目立たせたい所に使う
ラベル
- 刷ったシールを容器に貼る
- 写真や多くの色も刷りやすい
- 表示を変えるときは、ラベルの刷り直しで済む
どの方法を選んでも、容器に書かなければならない事項は変わりません。たとえば、容器に直接刷った製造販売元の名前は、あとからOEM先を変えると使えなくなるので、変える見込みがあるなら、その欄だけラベルにする形も考えておくと安心です。
また、製造番号か製造記号は作るたびに変わるので、版で刷り込むのではなく、作るたびに入れる方法になります。印刷や加飾の方法の名前を公式サイトに書いていた会社は1社だけだったので、どの方法で刷れるか、製造番号をどう入れるかは、問い合わせで聞いてください。
中身と容器の相性
中身と容器の相性とは、中身を入れたまま置いておいたときに、色・におい・量が変わらないか、容器が変形しないか、ポンプからきちんと出るか、といった組み合わせの具合のことです。会社一覧の9社のうち、相性か安定性(時間がたっても品質が変わらないか)を確かめると公式サイトに書いていた会社は5社でした。
- 中身と容器の相性を確かめると書いていた会社:2社
- 安定性試験をすると書いていた会社:4社
相性を確かめると書いていた会社の1社は、処方(中身の配合)が決まってから容器との相性を調べ、そのうえで容器を決める順番を書いています。なので、容器を先に決めて大量に買ってしまうのは避け、試作品を本番の容器に入れて確かめてから発注してください。
試験の結果は、容器に使用期限を書くかどうかにもつながります。使用期限を書かなければならないのは、作ってから3年以内に品質が変わるおそれのある化粧品と、ビタミンC(アスコルビン酸)やその仲間、酵素を入れた化粧品です。
| 中身の品質 | 使用期限の表示 |
|---|---|
| 3年以上変わらない | 要らない |
| 3年以内に変わるおそれ | 要る |
| ビタミンC・酵素入り | 要る |
自分で用意した容器を使うときも、同じように相性を確かめてもらってください。安定性試験に何か月かかるか、使用期限を書くことになったら容器のどこに入れるかも、あわせて聞いておくと安心です。試作品で相性のほかに確かめることは、化粧品に使えない成分と、処方づくりの進め方の「試作で確かめること」で確かめられます。
外箱とラベルに書くこと
容器の裏に書く販売名・全成分・製造販売元などの見本は、自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可の「容器の表示の見方」で確かめられます。ここでは、容器を外箱に入れて売るときに、箱に何を書くかを見ていきます。
外箱の見本:書くところ数字は仮
| 種類別名称 | 化粧水 | ① |
| 販売名 | 〇〇 モイストローション | ① |
| 内容量 | 120mL | ② |
| 全成分 | 水、グリセリン、BG、…… | ③ |
| 製造販売元・製造番号 | 〇〇化粧品(株)大阪府…… / A1234 | ④ |
| 識別マーク | 紙マーク | ⑤ |
- ①業界の規約では、種類別名称(化粧水・乳液などの種類の名前)と販売名の文字は7ポイント以上
- ②内容量は、法律ではなく業界の規約で書くことになっている項目
- ③全成分は、外箱に書けば、容器への記載を省ける
- ④容器の表示が箱を透かして見えないなら、箱にも同じ事項を書く
- ⑤紙の箱は紙製の容器包装なので、識別マークを付ける