化粧品OEM比較

化粧品の全成分表示ルールと表示案の確かめ方

全成分表示とは、化粧品に入れた成分を、すべて容器や箱に書くことです。法律で決まった表示の1つです。書き方の細かい決まりは、国の通知(平成13年「化粧品の全成分表示の表示方法等について」)にあります。

成分はどの順番で書く?

分量の多い順に書きます。ただし、1%以下の成分と着色剤は、互いに順番を問いません。

例:化粧水の全成分の並べ方(仮の処方)数字は仮

  1. ①1行目水、BG、グリセリン、ペンチレングリコール1%を超えて入る成分。多い順に書く
  2. ②2行目ヒアルロン酸Na、セラミドNP、フェノキシエタノール1%以下の成分。この中では順番を問わない
  3. ③3行目香料香料も1%以下なら、②と同じ並びのどこに置いてもよい

※ 成分の並びは、書き方を見せるための仮の例です。

並べ方を見るときは、OEM先に「1%を超える成分はどこまでか」を聞きます。1%の境目が分かると、書いた順番が正しいかを自分でも追えます。

成分の名前は、何を使う?

成分の名前は日本語で書き、日本化粧品工業連合会(今の日本化粧品工業会)の「化粧品の成分表示名称リスト」などを使うとされています。このリストには16,908成分が載っています。

原料の商品名(メーカーが付けた名前)は、そのまま書けません。たとえば「〇〇エキスV」のような原料は、中に入っている成分の名前に直して書きます。表示の名前が無い原料は、OEM先を通して名前があるかを確かめます。使える成分かどうかの確かめ方は、化粧品の配合禁止成分と処方の確かめ方にあります。

混ぜた原料・植物エキス・香料はどう書く?

原料の形によって、書き方が変わります。4つの決まりを押さえます。

原料の種類 書き方
混ぜた原料(プレミックス) 成分ごとに書く
植物エキスなどの抽出物 エキスと溶媒を分ける
原料に付いてくる成分 書かなくてよい
香りづけの香料 「香料」でよい

1つずつ、決まりの中身を見ます。

  • 混ぜた原料:混ぜて売られている原料(プレミックス)は、混ざっている成分ごとに書くとされています
  • 抽出物:植物エキスなどの抽出物は、抽出された物質と、抽出や希釈に使った溶媒を分けて書くとされています。ただし、抽出に使った溶媒が、できあがった製品に残らないなら、溶媒は書かなくてよいとされています
  • 付いてくる成分:原料に付いてきた成分(不純物を含む)で、製品の中では効果が出るより少ない量しか入っていないもの(キャリーオーバー成分)は、表示しなくてよいとされています。この成分を「キャリーオーバー成分」と呼びます
  • 香料:香りづけに使う香料は、成分名を「香料」と書いてよいとされています

抽出物の溶媒を書くかどうかは、製品に残るかで決まります。残るかどうかは、処方を持つOEM先にしか分かりません。表示案に溶媒が無いときは「この溶媒は製品に残らないのですか」と聞いてください。

容器が小さいときは、どこに書く?

容器に書ききれないときは、特例が使えます。東京都の解説では、全成分を容器に書かずに済む特例は4つ(外箱・付けたタグ・50g以下の説明書・10g以下の説明書など)とされています。

場面 全成分を書く場所
外箱に入れて売る 外箱
容器に書ききれない 外れないタグ・カード
50g・50mL以下 添えた説明書
10g・10mL以下 説明書と売り場のカード

それぞれの条件は次のとおりです。

  • 外箱:全成分を外箱に書けば、容器への記載は省けるとされています
  • タグやカード:容器や包みにしっかり付けたタグやディスプレイカードに全成分を書けば、容器への記載は省けるとされています。東京都は、タグやディスプレイカードは、接着剤やシュリンクなどで化粧品から外れないように付けるよう求めています
  • 50g・50mL以下:内容量50g・50mL以下の化粧品は、添えた説明書に全成分を書けます。この場合は、小さい容器の特例で、くっついていない説明書に全成分を書くときは、容器や包みに「説明書がある」ことを書く必要があります
  • 10g・10mL以下:外箱があり、中の容器が10g・10mL以下の化粧品は、外箱に添えた説明書か、容器に添えた説明書とディスプレイカードに全成分を書く形もとれる。東京都は、10g以下の特例のディスプレイカードは製品に付けなくてもよいが、買うときに成分を見られるよう売り場に置くとしています

試供品も同じ考え方です。東京都は、試供品は書く場所が小さいので説明書で補えるが、説明書を試供品と一緒に持ち帰れることが条件としています。小袋の作り方は、化粧品サンプルパウチOEMは中身・袋・充填を分けて頼むにあります。

外箱にだけ全成分を書いたら、箱から出して並べて売れません。箱を外す売り方があるなら、容器にも書いてください。

全成分のほかに、何を書く?

全成分と一緒に、法律で決まった事項を書きます。

容器の裏の表示で、全成分と一緒に見る所

  1. ①名称〇〇 モイストローション容器に書く「名称」は、製造販売届で届け出た製品の名前(販売名)
  2. ②製造販売元〇〇化粧品(株)東京都……製造販売業者の名前と住所。会社で許可を受けたなら、会社の名前を書く。住所は、住所は、総括製造販売責任者が仕事をする事務所の所在地
  3. ③製造番号A1234製造番号か製造記号を書く
  4. ④使用期限(必要な場合だけ)作って(輸入して)から、適切に保存しても3年以内に品質が変わるおそれのある化粧品などは書く

東京都は、法律で決まった表示は、日本語で書くとしています。海外の工場で作った品も、日本語の表示が要ります。外箱に書く事項や業界の決まりは、化粧品OEMの容器・箱・ラベルの選び方で確かめられます。商品名の決まりは、化粧品の販売名ルールとNG例・決める順番にあります。

表示案は誰が作る?

処方を持つOEM先に作ってもらうのが確実です。全成分は配合の量で決まり、その量を知っているのはOEM先だからです。

公式サイトで分担を書いている会社もあります。並び順に意味はありません。

  • オリオン粧品工業は、発注のあと、容器や箱に書く表示の中身を作り、法律に合っているかを社内で確かめると書いています
  • アルデバランは、製品に書く法定表示(薬機法で決まった表示)はサポートするとしています。一方で、デザインは、頼む側で用意することが多いと書いています

アルデバランのようにデザインを頼む側が用意する形では、表示案を自分の側でデザインに流し込みます。流し込むときに成分が抜けたり、順番が入れ替わったりしないよう、刷る前の最終の版下でもう一度照らし合わせます。製造販売元を誰が引き受けるかで表示の名前が変わる点は、化粧品OEMに必要な許可と製造販売元の決め方にあります。

次にやること

  1. 1表示案をもらうOEM先に「全成分の表示案と、1%を超える成分の境目を教えてください」と頼む
  2. 24つの決まりで読む混ぜた原料・抽出物の溶媒・付いてくる成分・香料の書き方を、表示案で1つずつ確かめる
  3. 3書く場所を決める容器の大きさと売り方(箱から出すか)を伝え、全成分を容器・外箱・タグのどこに書くかを決める。候補の会社は化粧品OEMの会社一覧で比べられる

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出典