サンプルパウチは、試供品に使う小さな袋です。化粧水やクリームを数mL入れて、口をふさぎます。中身を袋に詰めてふさぐ作業を「充填(じゅうてん)」と呼びます。
パウチは、次の3つの作業でできています。
- 中身をつくる(化粧水やクリームそのもの)
- 袋のフィルムに印刷する
- 中身を袋に詰めて、口をふさぐ(充填)
3つとも1社に頼むこともできます。中身は今の工場、充填は別の会社と分けることもできます。どこで分けるかで、頼める会社と最小の枚数が変わります。
3つの作業を誰が受け持つ?
公式サイトで受託の範囲を読める3社を、3つの作業に分けて並べます。並び順に意味はありません。
| 会社 | 受け持つ範囲(公式の記載) | 最小の枚数 |
|---|---|---|
| EineCosmetics | 中身・袋の印刷・充填 | 最小1万枚から |
| 地の塩社 | 中身・充填 | 1万枚から |
| ヤマトマテリアル | 袋の提案・工場選び | 記載なし |
EineCosmeticsは、パウチへの充填を中心にする会社です。同社は処方開発から原液(中身)の製造まで受けると書いています。袋は袋のデザインから印刷データ作成まで提案するとしています。容量は0.5mL〜20mLです。
地の塩社は、液体や粘体を小袋の自動充填機で詰め、サンプル用のパウチを作ると書いています。ただし、パウチは本製品と同時に作るときのオプションです。パウチだけを頼む形ではありません。2万枚単位だと割安とも書いています。
ヤマトマテリアルは、包材商社としての化粧品OEMサービスを案内しています。包材商社は、容器や袋を仕入れて売る会社です。同社は中身とブランドに合うパウチの形・素材・デザインを提案するとしています。中身と充填は、中身やロット・費用に合わせて、全国の化粧品工場から選ぶ形です。
中身を渡すか、中身から頼むか
本製品をすでに作っているなら、同じ中身をパウチに詰めるのが近道です。中身を充填会社に渡す形を「中身の支給」と呼びます。
中身を渡す
- 今の工場で作った中身を、充填会社に送る
- EineCosmeticsは、用意した原液(中身)を渡せば、パウチに詰めて仕上げる
- 中身は生産開始の1週間前までに渡す
- 粘度などのデータを先に出す
中身から頼む
- 処方づくりと中身の製造も、同じ会社に頼む
- 中身をつくる期間が、日程に足される
- 地の塩社は、本製品と同時に作るときだけ
EineCosmeticsの納期の目安は、ミニパウチでデザイン確定後約2週間(既存の処方か、中身を渡す場合)です。中身から作るなら、さらに2〜4週間が足されます。
中身を渡すなら、中身を渡すなら、粘度・pH・比重などのデータを先に出す必要があります。日本ビューテックは、充填できる中身を低い粘度から中くらいの粘度の中身としています。スクラブ入りや固いクリームは、詰められるかを先に聞いてください。
中身を渡す前に、製造販売元に話を通す
化粧品を市場に出す会社を「製造販売元」と呼びます。製造販売には、他の会社に頼んで作らせた化粧品を、自分の会社が市場に出すことも「製造販売」に入るとされています。つまり、中身の工場と充填の工場が別でも、責任は製造販売元に集まります。
今の工場が製造販売元を引き受けているなら、パウチを別の会社で詰める話は、まず今の工場に伝えてください。製造販売元が、充填の工場を管理できるかを決めるためです。製造販売元の決め方は、化粧品OEMに必要な許可と製造販売元の決め方で確かめられます。
印刷した袋を渡すか、袋も頼むか
袋の手配は、充填会社に任せる形と、自分で用意して渡す形があります。
印刷した袋を渡す
- 印刷会社と、自分でやりとりする
- 充填機に合う幅や材質かを、先に充填会社に確かめる
- 余った袋の置き場所も、自分で受け持つ
袋も充填会社に頼む
- 日本ビューテックは、パウチのフィルムは、充填する側でも手配できると答えています
- EineCosmeticsは、袋のデザインと印刷も受ける
- 中身との相性を、充填会社と一緒に確かめられる
刷り方で、向く枚数が変わります。EineCosmeticsは、デジタル印刷は小ロット・短納期向き、グラビア印刷は大ロット向きとしています。1万枚前後なら、小ロット向きとされるデジタル印刷でも見積もりを取ってください。
同社のフィルムのテスト印刷は、フィルムのテスト印刷は一式15,000円です。テスト充填は一式5万円とも書いています。本番の前に色と詰まり具合を見たいなら、この2つの費用を予算に入れてください。
製造番号は、作るたびに変わります。袋に刷り込まず、充填のときに入れます。EineCosmeticsは、印字の機械でロット番号や使用期限を印字すると書いています。
自分の会社で詰めてもよい?
詰めてはいけません。化粧品製造業の許可が無い場所では、充填はできません。
法律は、化粧品を作る会社は、化粧品製造業の許可を受けるとしています。この「製造」には、「製造」には小分けが含まれると書かれています。
製造業の許可には区分があります。和歌山県の手引きは、容器に中身を詰める作業(一次包装)をするなら、一般区分の許可が要るとしています。一般区分は、化粧品の製造工程の全部か一部を行うものの区分です。ラベル貼りだけの区分では、袋に詰める作業はできません。
無料の試供品でも同じです。広島県は、お金を取らないプレゼントでも、規制の対象としています。中身を仕入れて店で小袋に分けることも、製造に当たります。どこから製造になるかは、化粧品の小分け・詰め替えに許可は必要?で確かめられます。
充填を頼む会社も、許可を確かめます。EineCosmeticsは化粧品製造業の許可を公式サイトに書いています。地の塩社は1979年に化粧品製造の許可を取得と書いています。
小さな袋にも、決まった表示が要る
試供品も化粧品です。法律は、化粧品の容器(直接の容器か直接の包み)に書く決まりの事項としています。袋が小さくても、決まった事項を書きます。
サンプルパウチの裏面の見本数字は仮
- ①販売名〇〇 モイストローション名称(販売名)を書く
- ②製造販売元〇〇化粧品(株)東京都……製造販売業者の名前と住所を書く
- ③製造番号P2611A製造番号か製造記号は、充填のときに印字する
- ④全成分水、BG、グリセリン、……小さな見本品は、添える紙に書けば袋で省ける
全成分には特例があります。施行規則は、外箱もタグも無い小さな見本品は、添える紙に全成分を書けば、袋への記載を省けるとしています。袋を台紙や説明の紙に付けて渡すなら、全成分をその紙に書く形も選べます。
ただし、紙から外して1包ずつ配る予定なら、全成分を袋に刷ってください。佐賀県の案内は、無許可で作った化粧品と、決まった表示の無い化粧品は、売ることも渡すこともできないとしています。外箱やラベルの表示全体は、化粧品OEMの容器・箱・ラベルの選び方で確かめられます。
何枚頼み、中身はどれだけ要る?
最小の枚数と1包の量から、要る中身の量を出せます。中身を渡す場合は、この量を今の工場に頼みます。
- 1包の量(仮)
- 2mL
- 枚数(仮)
- 10,000枚
※ EineCosmeticsは、納品数は±10%の幅があるとしています。11,000枚になれば、22Lが袋に入ります。
※ 充填機の中に残る量もあります。何L多めに渡すかは、充填会社に聞いてください。
※ 数字は計算の仕方を示す仮のものです。
配る数が1万枚に届かないなら、2つの道があります。
- 本製品を作るときに合わせて、パウチも同時に作る
- 配る場面を増やし、1回の注文で1万枚を使い切る計画にする
最小の枚数より少なく作れるかは、公式サイトには書かれていません。見積もりで聞いてください。
掲載会社でパウチを扱う会社
化粧品OEMの会社一覧の139社のうち、対応品目にパウチを書いている会社は4社でした。並び順に意味はありません。
- EineCosmetics(兵庫県)
- モカコスメティックス(神奈川県)
- 九州コーケン(静岡県)
- 日本ビューテック(長野県)
日本ビューテックは、サンプルパウチの1日の生産量を1日におよそ3万〜5万包と書いています。EineCosmeticsは、最短1か月で納める案内です。会社ページで許可の欄を見て、製造販売元を引き受けるかも聞いてください。
次にやること
- 1分け方を決める中身を渡すか中身から頼むか、袋を自分で用意するか任せるかを決める
- 2今の工場に伝える本製品の製造販売元に、パウチを別の会社で詰めてよいかを聞く
- 3見積もりを取る会社一覧から2〜3社に「1包◯mLで◯枚。最小枚数、テスト充填、印刷の方式は?」と聞く