化粧品OEM比較

化粧品の使用期限の表示と品質の保証|「作ってから3年」の決まり・使用期限が要る化粧品・書き方・安定性試験の見方・開封後の期限・製造番号

化粧品の「使用期限」とは、開ける前の化粧品を正しく保存したときに、中身の品質を保てると作る側が約束する期限のことです。すべての化粧品に書く決まりがあるわけではなく、法律(薬機法)が容器に書くよう決めている事項の1つが、厚生労働大臣が指定する化粧品の、使用の期限です。

なので、自分のブランドの化粧品に使用期限を書くかどうかは、国が指定した化粧品に当たるかどうかで決まります。そして、当たるかどうかを見分けるために、作ってから品質が何年保てるかを試験で確かめることになります。

結論

  • 作ってから3年を超えて品質が変わらない化粧品なら、使用期限は書かなくてかまいません。ビタミンC(アスコルビン酸とその仲間)や酵素を入れた化粧品と、3年以内に品質が変わるおそれのある化粧品には、使用期限を月まで書きます。
  • 3年もつかどうかは、時間がたっても品質が変わらないかを見る「安定性試験」で確かめます。会社一覧の9社のうち、安定性試験を公式サイトに書いていたのは4社、試験の期間まで書いていたのは1社、温度などの条件や費用まで書いていたのは0社だったので、問い合わせで聞いてください。
  • 開封したあとの期限は、法律で書く事項ではありません。一方で、製造番号(ロット番号)はすべての化粧品に必要で、容器と外箱の番号が食い違っただけでも回収になった例があります。
使用期限を書くかどうかを決める順番
入れた成分を見るビタミンC・酵素が入っていれば書く
安定性試験の結果を見る3年以内に品質が変わるおそれがあれば書く
どちらでもない使用期限は書かなくてよい。製造番号は書く

使用期限が要る化粧品

使用期限を書かなければならない化粧品は、国の告示で次の2つに決まっています。

  • ビタミンC(アスコルビン酸)とその仲間、または酵素を入れた化粧品
  • 作って(輸入して)から、適切に保存しても3年以内に品質が変わるおそれのある化粧品

反対に、告示のただし書きでは、作って(輸入して)から、適切に保存して3年を超えて品質が変わらない化粧品は、使用期限を書かなくてよいとされています。なので、ビタミンCや酵素を入れていない化粧品なら、3年を超えて品質が変わらないと確かめられれば、使用期限を書かずに売れます。

気をつけたいのは、3年を「作ってから(輸入品は輸入してから)」数える点です。お客様が買った日や、OEM先から届いた日から数えるのではないので、届くまでの日数や、店に置いている期間も3年のうちに入ります。

仮の例:2027年4月に作った化粧水が、3か月後に店に届き、店で2年売り続けた仮の数字
作った月
2027年4月
店に届くまで
3か月
店に置いて売った期間
2年
お客様が買ったときの、作ってからの年月2年3か月

※ 3年は、作った月から数えます。店に届くまでと、店に置いている期間も入ります。

※ 数字は、数え方を説明するための仮のものです。

在庫が長く残りそうなら、1回に作る数を減らすか、何年分の品質を試験で確かめるかをOEM先と決めておいてください。また、店や倉庫で在庫を置く場所は、日本化粧品工業会の案内にある温度の変化が少なく、直射日光の当たらない常温の場所を選ぶと、品質を保ちやすくなります。

薬用化粧品(医薬部外品)は、同じ告示の別の一覧で決まっていて、ビタミンC(アスコルビン酸)の製剤や、トコフェロール(ビタミンE)の製剤などが入っています。薬用化粧品の承認や表示は、薬用化粧品(医薬部外品)をOEMで作るときで確かめられます。

使用期限の書き方

国の通知では、化粧品の使用期限は、売るときの形のまま、ふつうに流通する保存のしかたで品質を保てる期限で、作る側が安定性試験のデータなどをもとに決めるとされています。つまり、使用期限を何年何月にするかは、国が決めるのではなく、化粧品を市場に出す会社(製造販売元)が試験の結果を見て決めます。

書き方は、使用期限は月まで書き、年月の意味が分かるように「使用期限」などの文字を添えることになっています。通知はさらに、期限を過ぎたらすぐに不良品になるという意味ではないので、なるべく余裕のある期限にすることも求めています。

使用期限を書く化粧品の、容器の裏の見本(例)数字は仮

販売名〇〇 VCセラム
全成分水、BG、アスコルビン酸、……①
製造販売元〇〇化粧品(株) 大阪府……
製造番号L7041②
使用期限使用期限 2029.03③
  1. ①アスコルビン酸(ビタミンC)が入っているので、使用期限を書く化粧品に当たる
  2. ②作るたびに変わる番号。外箱にも書くなら、容器と同じ番号にする
  3. ③月まで書き、「使用期限」の文字を添える。日にちまでは要らない

使用期限と製造番号は作るたびに変わるので、容器に版で刷り込むのではなく、作るたびに印字します。たとえばある会社は、ロット番号や使用期限を印字すると書いています。

容器を外箱に入れて売るときは、容器の表示が外箱を透かして見えないなら、外箱にも同じ表示が要るとされています。外箱に書くことと印刷の方法は、化粧品の容器・箱・ラベルの選び方で確かめられます。

安定性試験の見方

安定性試験とは、作った化粧品を決まった温度や湿度の部屋に置き、時間がたっても見た目・におい・とろみなどが変わらないかを確かめる試験です。3年待たずに見通しを立てるために、温度を上げて変化を早める「加速試験」という方法があります。

ある検査機関の説明では、化粧品の安定性試験には、公的な規格が無いため、厚生労働省が医薬品向けに作った安定性のガイドラインに準じて試験するとしています。別の検査機関は、25℃で3年分の安定性を見るための条件を、次のように説明しています。

試験の名前 25℃で3年分を見る条件
加速試験 40℃・湿度75%なら6か月
苛酷試験 50℃・湿度75%なら2か月

苛酷試験は、加速試験よりも高い温度に置く試験です。また、ある検査機関の加速試験では、見た目と状態(分離・変色)、におい、粘り気(粘度)、酸性かアルカリ性かの度合い(pH)、重さ(質量)などを、0・1・3・6か月目に取り出して測ります。

加速試験と、室温で長く置く試験

加速試験

  • 温度を上げて、6か月ほどで見通しを立てる
  • 分離のような変化は、予測しきれないことがある
  • 医薬品では、室温のデータがそろうまでの暫定の期限に使う

室温で長く置く試験

  • ふだんの保存に近い温度で、実際の年月をかける
  • 3年分の結果が出るまでに、3年かかる
  • 加速試験で決めた期限を、あとから確かめられる

ただし、加速試験には限界もあり、検査機関の説明では、医薬品のガイドラインは有効成分の化学的な変化をもとにしているので、加速試験の結果が、分離のような物理的な変化の予測に当てはまるとは限らないとされています。国の通知も、医薬品については、40℃・湿度75%で6か月以上の加速試験のデータは、室温で3年以上置いたデータにほぼ見合うとみてよいとしたうえで、加速試験で決める期限は、室温で長く置いた試験のデータがそろうまでの暫定のものだとしています。

なので、加速試験の結果だけで「3年もつ」と決めるのではなく、クリームの分離のように見た目に出る変化も確かめたか、室温で置く試験も続けるかを、OEM先に聞いておくと安心です。

試験の結果を見て「安定だ」と決めるのも、検査機関ではありません。ある検査機関は、測った結果を出すだけで、安定かどうかは頼んだ側が判断するとしているので、OEM先が製造販売元なら、判断して記録を持つのはOEM先です。

開封後の期限

法律で容器に書く事項は、製造販売業者の名前と住所、販売名、製造番号か製造記号、指定された化粧品の使用期限などで、開封したあとの期限は入っていません。なので、「開封後〇か月」を書くかどうかは、作る側が決めることです。

日本化粧品工業会の消費者向けのQ&Aでは、開封した化粧品は、早めに使いきるよう案内しています。ある化粧品会社も、開封してすぐに品質が変わることはないが、なるべく早く使いきるよう勧めるとしています。

開封後の期限を書かないか、書くか

書かない

  • 法律で求められていないので、書かなくても売れる
  • 説明書や販売ページで「開封後はお早めにお使いください」と案内できる

「開封後〇か月」と書く

  • 何か月にしたかの根拠を、自分の側で説明できるようにしておく
  • 開封して使い続けたときの変化を試験したかを、OEM先に聞く

製造番号(ロット番号)

製造番号は、1回に作ったまとまり(ロット)ごとに付ける番号で、使用期限と違って、すべての化粧品の容器に書く事項です。回収になったときは、この番号で、どのロットを回収するかを決めます。

番号の付け方は、作る会社に聞いて確かめてください。たとえばある会社は、容器に書いたロット番号から、作った時期が分かると説明していて、「20E02A」を、2020年5月2日の1回目と読むとしています。

製造番号の読み方の見本(ある会社のハミガキ剤の付け方・番号は例)数字は仮

年26①
月C②
日15③
その日の回数A④
  1. ①西暦の下2桁。26なら2026年
  2. ②Aが1月、Bが2月、Cが3月
  3. ③作った日
  4. ④その日の何回目に作ったか。Aが1回目

製造番号は、品質に問題がなくても、書き方を間違えると回収につながります。製造販売元は、品質管理の記録を5年保存するので、番号から、いつ作ったロットかをたどれるようにしておく必要があります。

外箱に入れて売るなら、容器と外箱に同じ製造番号を入れる段取りを、OEM先と決めておいてください。回収になったときに誰が何を払うかは、化粧品OEMの契約書で決めることで確かめられます。

9社の公式サイトの記載

化粧品OEMの会社一覧に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、OEMの流れ・よくある質問・品質管理のページで、安定性試験と使用期限について何を書いているかを数えました。

会社一覧の9社の公式サイトで「安定性試験」を確かめた結果
会社一覧に掲載9社
安定性試験を記載4社
試験の期間まで記載1社
条件・費用まで記載0社

試験の温度や費用は、9社とも公式サイトに書いていませんでした。候補を3社に絞る手順は、化粧品OEMの会社の選び方で確かめられます。

安定性試験を書いていない会社も、試験をしないとは限りません。なので、候補の会社には次の文面で聞き、答えを並べて比べてください。

OEM先に聞くこと

安定性試験と使用期限について聞くメールの見本数字は仮

件名美容液の安定性試験と使用期限について(〇〇サロン)
試験の条件安定性試験は、何度・何か月で行いますか。室温で置く試験もしますか①
試験する形本番の容器に入れた形で試験しますか②
結果と判断報告書の写しをいただけますか。3年もつかの判断は、どなたがしますか③
使用期限書くことになったら、何年何月とし、容器と外箱のどこに印字しますか④
費用と期間費用は見積もりのどの行に入り、発売日までに結果が出ますか⑤
  1. ①検査機関の説明では、加速試験は40℃・湿度75%なら6か月。何年分を見る試験かを聞く
  2. ②使用期限は、売るときの形のまま品質を保てる期限。中身だけの試験か、容器に入れた試験かを聞く
  3. ③安定かどうかを判断するのは、試験を頼んだ側。OEM先が製造販売元なら、判断も記録もOEM先
  4. ④月まで書き、「使用期限」の文字を添える。製造番号と同じく、作るたびに印字する
  5. ⑤ある会社は、試験の期間を中身が決まってから約3か月としている

返事が「3年の品質を保証しています」だけなら、どの条件で何か月試験したのかを聞き返してください。安定性試験が問い合わせから納品までのどこに入るかは化粧品OEMの流れと期間で、肌への安全性の試験との違いは化粧品の肌への安全性の試験で確かめられます。

今日やること

  1. 1入れた成分を確かめるOEM先の処方の案の全成分で、アスコルビン酸などビタミンCの仲間や、酵素が入っているかを見る
  2. 2試験の中身を聞くOEM先に「安定性試験は何度・何か月で、本番の容器で行いますか。3年もつかの判断と、使用期限を書くかどうかは、どなたが決めますか」と送る
  3. 3印字の場所を決める容器と外箱の案で、製造番号と使用期限をどこに入れるかと、両方に同じ番号が入る段取りかを確かめる

出典