シャンプー・トリートメント・ヘアオイルの多くは、法律の上では「化粧品」です。化粧品の容器や販売ページで言える効き目は、国が決めた56項目の中の言い方だけで、そのうち髪と頭皮に使えるのは、はじめの16項目です。
一方で、同じシャンプーでも「薬用」をうたうものや、育毛剤・ヘアカラー(染毛剤)・パーマ剤は「医薬部外品」に分かれ、品目ごとに国の承認を受けてから売り出します。なので、OEMで自分のブランドのヘアケアを作るときは、まず「言いたい効き目が化粧品の16項目で足りるか」を決めると、作る区分と頼む会社が決まります。
結論
- シャンプー・トリートメント・ヘアオイルで言える効き目は、56項目の(1)〜(16)の範囲です。「傷んだ髪をコートする」のような見た目の効果は、事実なら書けますが、「育毛」は化粧品では一切言えません。
- 「ふけ・かゆみを防ぐ」と言いたいなら薬用シャンプー、「育毛」「脱毛の予防」なら育毛剤で、どちらも医薬部外品として国の承認が要ります。化粧品でも「フケ、カユミを抑える」までは言えます。
- 会社一覧の9社のうち、ヘアケアを品目に書いていたのは5社、そのうち医薬部外品の許可も書いていたのは3社でした。サロンで売るときは、「美容師がすすめる」とは事実でも書けない点にも気をつけてください。
化粧品
- シャンプー・トリートメント・ヘアオイル・スタイリング剤
- 髪の表面を染めるだけの染毛料
- 市場に出す前に、都道府県へ届け出る
- 言える効き目は、56項目の(1)〜(16)
医薬部外品
- 薬用シャンプー・薬用リンス
- 育毛剤、染毛剤(ヘアカラー)、パーマ剤
- 品目ごとに国の承認を受ける
- 言える効き目は、承認された範囲
髪と頭皮で言える効き目
56項目のうち、髪と頭皮の項目は(1)〜(16)です。シャンプーで洗う、トリートメントでうるおす、ヘアオイルでつやを出す、といった言いたいことごとに、使える言い方は次のとおりです。
| 言いたいこと | 56項目の言い方 |
|---|---|
| 洗う | 頭皮、毛髪を清浄にする |
| におい | 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える |
| うるおい | 頭皮、毛髪にうるおいを与える |
| 水分と油分 | 毛髪の水分、油分を補い保つ |
| はり・こし | 毛髪にはり、こしを与える |
| 手ざわり | 毛髪をしなやかにする、クシどおりをよくする |
| つや | 毛髪につやを与える |
| 枝毛 | 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ |
| まとまり | 髪型を整え、保持する |
| 静電気 | 毛髪の帯電を防止する |
| フケ・かゆみ | フケ、カユミを抑える |
一覧の言葉を少し変えるときは、たとえば「補い保つ」を「補う」か「保つ」だけにするような、意味を広げない変え方にとどめてください。このほか、頭皮、毛髪をすこやかに保つ、フケ、カユミがとれるも一覧にあります。
一覧に無くても、見た目の効果や使い心地は、事実のとおりなら書けます。日本化粧品工業会の広告のガイドラインでは、見た目の効果の例として「傷んだ髪をコートする」が挙がっています。
毛髪への浸透の言い方
化粧品の広告で「浸透」と書くときは、どこまでしみ込むかの言い方に決まりがあります。髪の場合、東京都の講習会資料では「毛髪の内部への浸透」は書けるとされ、髪が治るように受け取れる言い方は書けないとされています。
56項目の全体の読み方や、お客様の声・使う前と後の写真の扱いは、化粧品の広告・販売ページで言えること/言えないことで確かめられます。たとえばシャンプーなら、フケのある頭皮と使ったあとの頭皮の写真は、原則として載せられるとされています。
薬用シャンプーと育毛剤
化粧品でも「フケ、カユミを抑える」までは言えます。一方で、「ふけ・かゆみを防ぐ」と防ぐことまで言いたいなら、薬用シャンプー・薬用リンスとして、品目ごとに厚生労働大臣の承認を受けることになります。
| 言い方 | 化粧品 | 医薬部外品 |
|---|---|---|
| フケ、カユミを抑える | 可 | 承認で可 |
| ふけ・かゆみを防ぐ | 不可 | 薬用シャンプー |
| 毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ | 不可 | 薬用シャンプー |
| 育毛、脱毛の予防 | 不可 | 育毛剤 |
| 毛髪の染色、脱色 | 不可 | 染毛剤 |
| くせ毛をのばし、保つ | 不可 | パーマ剤 |
国は、薬用シャンプーと薬用リンスについて、これまでに承認されたもの(前例)をもとに「承認審査に係る留意事項」をまとめています。そこでは、薬用シャンプーの効き目は「ふけ・かゆみを防ぐ」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」に、「毛髪・頭皮を清浄にする」などを目的に応じて足す形と決まっていて、使える有効成分と量の表もあります。
なので、薬用シャンプーをOEMで作るなら、OEM先に「留意事項の表の中の処方ですか」と聞くと、審査の重さの見当がつきます。承認を誰の名前で取るか、何か月・いくらかかるかは、薬用化粧品(医薬部外品)をOEMで作るときで確かめられます。
育毛剤・ヘアカラー・パーマ剤
育毛剤で承認される効き目は、育毛、薄毛、かゆみ、脱毛の予防、毛生促進、発毛促進、ふけ、病後・産後の脱毛、養毛といった言い方です。東京都の講習会資料では、化粧品では育毛をうたうことは一切できないとされているので、「スカルプケア」のシャンプーでも、髪が生える・抜けにくくなると受け取れる文は書けません。
髪の色を変える品は、染め方で区分が分かれます。髪を物理的に染めるだけのものは、医薬部外品に当たらないので、髪の表面に色をのせるだけの染毛料は化粧品で、髪の中で染めたり色を抜いたりする染毛剤は医薬部外品です。パーマ剤も医薬部外品で、承認される効き目は「毛髪にウェーブをもたせ、保つ。くせ毛、ちぢれ毛、またはウェーブ毛髪をのばし、保つ」です。
容器と販売ページの表示
シャンプーやトリートメントも化粧品なので、容器に書く事項は、ほかの化粧品と同じです。容器には、製造販売元の名前と住所や、成分の名前などを書き、成分は分量の多い順に並べます。
シャンプーの容器の裏と販売ページの見本数字は仮
| 販売名 | 〇〇 モイストシャンプー | ① |
| 売り文句 | ノンシリコン | ② |
| 成分の売り文句 | アミノ酸系洗浄成分配合 | ③ |
| 全成分 | 水、〇〇、〇〇、…… | ④ |
| 製造販売元・発売元 | 〇〇化粧品(株)/(自分のサロンの名前) | ⑤ |
- ①商品の名前。「薬用」や「育毛」のように、医薬部外品と間違えそうな名前にしない
- ②入れていない成分をはっきり書き、保証するような書き方や、キャッチフレーズでの強調はしない
- ③成分を目立たせて書くなら、何のために入れたか(配合目的)を一緒に書く
- ④分量の多い順に書く
- ⑤OEM先が製造販売元なら、自分のサロンは「発売元」として並べて書く