トップ › 解説 › オーガニック・ナチュラル化粧品をOEMで作るとき|「オーガニック」「天然由来」「無添加」の書き方・ISO16128の指数・COSMOS認証の基準と取り方・OEM先に聞くこと オーガニック・ナチュラル化粧品をOEMで作るとき|「オーガニック」「天然由来」「無添加」の書き方・ISO16128の指数・COSMOS認証の基準と取り方・OEM先に聞くこと オーガニック化粧品は、有機栽培(オーガニック農業)で育てた植物などの原料を使ったことを売りにする化粧品で、ナチュラル化粧品は、植物や鉱物など自然のものから取った原料を中心にしたことを売りにする化粧品です。どちらも、決まった中身を指す法律の言葉ではなく、作る側が商品の特徴として使う言葉です。
実際、日本化粧品工業会の広告のガイドライン(2026年7月の改訂版)と、化粧品の公正競争規約の施行規則には、「何%入っていればオーガニックと書けるか」という基準は見当たりませんでした(2026年10月18日に確認)。ただし、基準が無いから自由に書けるわけではなく、景品表示法と、成分の書き方の決まりがかかります。
結論
「オーガニック」「天然由来」と書くなら、どの成分がどれだけ入っているかを示す計算表と原料の書類をOEM先からもらい、成分の名前と配合目的(何のために入れたか)を一緒に書いてください。「天然成分だから安全」とは書けません。
「無添加」は、「パラベン無添加」のように何を入れていないかを添えて書きます。原料に含まれて持ち込まれる分も含めて、本当に入っていないかをOEM先に確かめます。
認証マークを付けたいなら、COSMOSの場合は認証機関に申し込み、書類の確認と現地の検査を受けます。会社一覧の9社のうち、オーガニック認証への対応を公式サイトに書いていたのは1社だったので、問い合わせで聞いてください。
「オーガニック」と書くまでの順番 入っている量を確かめる OEM先から計算表と原料の書類をもらう
↓ → 書き方を決める 成分の名前と配合目的を一緒に書く
↓ → 認証を付けるか決める 付けるなら、申し込む側と費用を先に決める
✓ この記事で分かること
「オーガニック」「天然由来」「無添加」と書くときの決まりと、直し方の例 ISO16128の指数で決まることと、COSMOS認証の基準の数え方 認証を取る手順と費用のかかり方、OEMでの分担とOEM先に聞くこと
「オーガニック」と書くときの決まり
消費者庁は、景品表示法で「優良誤認」と呼ぶ表示を禁じていて、商品の品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝することがこれに当たると説明しています。例として挙がっているのは、天然ダイヤを使用したネックレスのように表示したが、使われているのはすべて人造ダイヤだったというものです。
化粧品に置きかえると、オーガニックの原料をごく少しだけ入れた商品を、中身のほとんどがオーガニックであるかのように見せると、この禁止に当たるおそれがあります。消費者庁は、わざと偽った場合だけでなく、誤って表示してしまった場合も規制されるとしているので、OEM先の配合表と自分の販売ページの文が合っているかを、出す前に照らし合わせてください。
また、消費者庁は表示の裏付けとなる資料を出すよう求めることができ、出せないと、措置命令との関係では不当な表示とみなされます。なので、「オーガニック」「天然由来〇%」と書くなら、その根拠になる計算表と原料の書類を、手元に残しておいてください。
成分を取り上げて書くとき
容器や販売ページで、たくさんの成分の中から特定の成分だけを取り上げて書くことを「特記表示」と呼びます。「オーガニックアルガンオイル配合」も特記表示で、国の通知では、化粧品の特記表示はその成分が薬の有効成分のように誤解されるおそれがあるので、原則として行わないとされています。
ただし通知は、特定の成分を取り上げて書くときは、配合目的(何のために入れたか)を必ず一緒に書くことを条件に、特記表示を認めています。通知のQ&Aでは、「カミツレエキス(天然植物保湿成分)配合」のように、成分の由来と配合目的を一緒に書く例も、差し支えないとされています。
販売ページとボトルの見本:直すところ数字は仮
見出し オーガニックコスメ ① 成分の売り文句 オーガニックアルガンオイル配合 ② ボトルの英字 ORGANIC ARGAN OIL ③ 説明の文 天然成分だから肌にやさしい ④ 割合 天然由来成分99% ⑤
① 商品全体がオーガニックだと受け取られる。何がどれだけオーガニックかを、配合表で説明できるかを確かめる。COSMOSの規格では、製品を「オーガニック〇〇」と呼べるのは、製品全体の95%以上がオーガニックのときだけ ② 配合目的を添えて、「アルガニアスピノサ核油(保湿成分)」のように書く ③ 成分を外国語で書いても、特記表示に当たる。英字のデザインでも、成分の名前と配合目的を書く ④ 「天然成分を使用しているので安全」「天然成分を使用しているので刺激が少ないです」のような言い方は、業界のガイドラインで使わないとされている ⑤ 何を「天然由来」と数えたか、水を数に入れたかを、計算表で説明できるようにしておく
業界のガイドラインは、動物から取った成分を「植物成分」と書くことも、うそや大げさな書き方の例に挙げています。「植物由来」「天然由来」と書くなら、原料が何から取られたものかを、OEM先に原料の書類で確かめてください。
効き目の言い方(56項目)や、お客様の声・No.1表示の扱いは、化粧品の広告・販売ページで言えること/言えないこと で確かめられます。
「無添加」の書き方
「無添加」「〇〇フリー」は、入れていない成分があることを伝える書き方です。景品表示法にもとづいて化粧品の表示を決めた業界のルール(化粧品の公正競争規約)の施行規則では、「無添加」「無配合」「不使用」などは、何を入れていないかをはっきり書いて使うことになっています。
「無添加」の書けない書き方・書ける書き方 書けない書き方
・ 何を入れていないかを書かずに、「無添加」とだけ書く ・ 「無添加」を見出しやキャッチフレーズにして大きく見せる ・ 「100%無添加」「100%ピュア」と強調する ・ 「無添加だから肌にやさしい」と安全を言い切る 書ける書き方
・ 成分の名前を添える(例:パラベン無添加) ・ 成分の仲間の名前を添える(例:タール色素不使用) ・ 「無香料・無着色」のように、事実だけを書く
気をつけたいのは、原料の中に少し含まれて持ち込まれる成分です。業界のガイドラインでは、原料に含まれて持ち込まれる形(キャリーオーバー)でその成分が入っているときは、「無添加」とは書けないとされているので、OEM先に「原料の規格書(原料の中身を書いた書類)まで見て、持ち込まれる成分が無いかを確かめてください」と頼んでください。
防腐剤を入れない処方で微生物をどう抑えるかは化粧品に使えない成分と、処方づくりの進め方 で、「ノンシリコン」の書き方はシャンプー・ヘアケアをOEMで作るとき で確かめられます。
ISO16128の指数
ISO16128は、天然・オーガニックの化粧品の原料の定義と数え方を決めた国際規格です。第1部は天然・オーガニックの化粧品原料の定義の指針で、第2部は天然指数・天然由来指数・オーガニック指数・オーガニック由来指数の計算の仕方を決めています。
第2部は、原料ごとの区分をもとに、製品の中身のうち天然・天然由来・オーガニック・オーガニック由来の分を出す枠組みも示しています。今の版は2017年版(2023年に見直して確認。改訂する段階に入っている)です。
ISO16128で決まること・決まらないこと 規格で決まること
・ 天然・オーガニックの原料の区分の定義 ・ 天然指数・オーガニック指数などの計算の仕方 ・ 原料の区分から、製品の中の割合を出す枠組み 規格で決まらないこと
・ 容器や販売ページでの書き方 ・ 何%なら「オーガニック」と名乗れるか ・ 国ごとの法律の決まり
ISOは、表示や宣伝の言い方(claims and labelling)や、化粧品にかかる各国の法律の決まりは、この規格の対象外としています。なので、販売ページに「天然由来指数〇%」と書くなら、この記事の前半で見た「オーガニック」「無添加」の書き方の決まりを守ったうえで、どの数え方で計算したかを、OEM先から計算表でもらっておいてください。
COSMOS認証の基準
COSMOSは、オーガニック・ナチュラル化粧品の認証の国際的な基準で、ベルギーのブリュッセルにある、営利を目的としない独立した団体(COSMOS-standard AISBL)が管理しています。今の版はCOSMOS規格 第4.2版(2025年9月1日)で、オーガニックの割合で2つの区分に分かれます。
COSMOS ORGANICでは、製品全体の割合のほかに、物理的な加工(しぼる・乾かすなど)だけをした農産物由来の原料の95%以上をオーガニックにする条件もあります。表の2行目の「洗い流す製品など」には、乳化していない水っぽい製品と、鉱物が80%以上の製品も入ります。
COSMOS NATURALは、規格のほかの点はすべて満たし、オーガニックの割合の最低ラインだけを満たさない製品に付ける区分です。なので、オーガニックの原料が少なくても、使える原料や作り方の決まりはORGANICと同じように守る必要があります。
製品全体のオーガニックの割合は、COSMOSの規格では、オーガニックの原料の重さを、全部の原料の重さで割って出すことになっています。仮の数字で見てみます。
仮の例:クリーム1,000gに、オーガニックの原料を3つ入れた 仮の数字
オーガニックのシア脂 80g
オーガニックのホホバ種子油 60g
オーガニックのアロエベラ葉汁 50g オーガニックの原料の合計 190g(製品全体の19%)
※ 190gを、全部の原料の1,000gで割ると19%です。クリームは乳化した製品なので20%以上が要り、この例では足りません。
※ 化粧水のように乳化していない水っぽい製品なら、10%以上で足ります。
※ 数字は、数え方を説明するための仮のものです。
COSMOSの規格では、ラベルの天然由来・オーガニック由来の割合は小数点以下2けたまでで書き、切り捨ては可、切り上げは不可と決まっています。なので、19.99%を「20%」と書くことはできません。
また、水と鉱物の原料はオーガニックになりえないので、ラベルには製品全体の割合のほかに、水と鉱物を除いた割合が書かれていることもあるとCOSMOSは説明しています。どちらの割合を書くかは、認証機関とOEM先に確かめてください。
商品の名前やブランド名に「オーガニック」を入れたいときは、さらに決まりがあります。COSMOSの規格では、製品を「オーガニック〇〇」と呼べるのは、製品全体の95%以上がオーガニックのときだけで、会社名やシリーズ名に「オーガニック」の語が入っているときも、認証した製品と一緒に使うときに誤解させないようにするとされています。
認証を取る手順と費用
COSMOSの案内では、認証を受けたい会社は、COSMOSが認めた認証機関から1つを選び、直接申し込むことになっています。認証機関は12機関あり、エコサート(ECOCERT GREENLIFE)もその1つです。
COSMOS認証を取るまでの流れ(COSMOSの案内) 1 認証機関を選ぶ まだ取引の無い会社は、いくつかの認証機関に問い合わせて比べる 2 書類を出す 処方と原料の書類で、規格に合うかを確かめてもらう 3 現地の検査を受ける 認証機関が、申し込んだ会社の現場に来て検査する 4 認証を受ける マークを使えるのは認証を受けた製品だけ。そのあとも毎年の検査がある
COSMOSは、認証機関が申し込んだ会社の現場を訪ねて検査する。毎年の検査の計画の中で、予告なしの検査もありうるとしています。認証までの期間は、数か月かかることがある(製品と作り方の複雑さによる)とされているので、売り出す日から逆算して、試作と並行して申し込みの準備を始めてください。
費用は、認証機関に払う費用と、COSMOSの費用に分かれます。COSMOSは、技術の支援の中身や認証の費用は認証機関ごとに違うことがあり、まだ取引の無い会社には、いくつかの認証機関に問い合わせるよう勧めているとしています。
COSMOSの費用の案内では、認証した製品にはマークを使うためのライセンス料と、データベースへの登録料がかかり、金額は認証機関に聞くことになっています。なので、見積もりは認証機関ごとに取り、毎年かかる費用が入っているかも聞いてください。
なお、エコサートの認証は、COSMOS規格か、エコサート独自の規格にもとづくものです。見積もりを頼むときは、COSMOS規格の認証かどうかを確かめてください。
✓ 気にしなくていいこと
認証機関の本部が外国にあること。COSMOSの案内では、多くの認証機関は、日本を含む国々で、現地の検査員や支社を通じて仕事をしているとされています
OEMでの分担
COSMOSの規格を使うのは、作る会社・サービスを提供する会社・ブランドの持ち主です。エコサートの案内でも、原料の生産者、製造業者、ブランドなど、化粧品の分野のどの会社も申請できるとされていて、OEM先と自分のどちらが申し込む形もありえます。
一方で、COSMOSの審査は、認証機関の書類の確認と現地の検査にもとづき、原料の確認から最終の製品までの工程全体が対象です。なので、どちらが申し込む場合も、中身を作るOEM先の工場が審査にどう関わるかを、OEM先と認証機関の両方に確かめてください。
認証に誰が申し込むかで決めること OEM先が申し込む
・ OEM先が認証機関とやりとりし、検査を受ける ・ 申し込みの費用が、見積もりのどの行に入るかを聞く ・ OEM先との取引をやめたあと、認証とマークをどうするかを決める 自分(ブランド)が申し込む
・ 認証機関との契約と、費用の支払いは自分 ・ OEM先の工場の検査の日程を、OEM先と決める ・ 処方と原料の書類を、OEM先から出してもらう
認証の費用や、取引をやめたときの処方の扱いは、化粧品OEMの契約書で決めること を見ながら契約に書いておけます。見積書のどの行に入るかは、化粧品OEMの費用の内訳と見積書の読み方 で確かめられます。
9社の公式サイトの記載
化粧品OEMの会社一覧 に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、トップ・OEMの案内・流れ・Q&A・工場のページで、オーガニック化粧品について何を書いているかを数えました。
会社一覧の9社の公式サイトで「オーガニック」を確かめた結果
オーガニック認証への対応を書いている会社:1社。この会社のQ&Aでは、オーガニック認証は取得可能だが、認証基準に沿った処方の制限がある。COSMOS認証の処方開発・申請サポートの実績があり、申請費用等は別途とされています
ISO16128や天然由来指数の計算を書いている会社:0社
ノンシリコン・ノンパラベンのような、成分を入れない処方の開発を書いている会社:1社
残りの8社は、オーガニック化粧品や認証への対応を公式サイトに書いていませんでした。書いていない会社も、オーガニックの原料を使えないとは限らないので、問い合わせで聞いてください。
ある会社の問い合わせ欄では、「オーガニック原料を配合したい」と「製品としてオーガニック認証を取得したい」を分けて選ぶようになっています。原料を入れるだけなら認証の審査と費用はかからないので、問い合わせでは、どちらを目指すかをはっきり伝えてください。
候補を3社に絞る手順は、化粧品OEMの会社の選び方 で確かめられます。
OEM先に聞くこと
オーガニックの処方と表示について聞くメールの見本数字は仮
件名 オーガニックの化粧水の処方と表示について(〇〇サロン) 目指す形 オーガニックの原料を入れたいです。製品の認証までは取りません(または:COSMOS認証を取りたいです) ① 割合の計算 オーガニックと天然由来の原料の割合を、計算表でいただけますか ② 原料の書類 オーガニックの原料の認証の書類と、原料に含まれて持ち込まれる成分の一覧をいただけますか ③ 表示の案 「〇〇無添加」と「成分名(配合目的)」の形で、容器と販売ページの案を見ていただけますか ④ 認証の分担 認証を取る場合、申し込むのはどちらで、費用は見積もりのどの行に入りますか ⑤
① 原料を入れるだけか、製品として認証を取るかで、処方の制限と費用が変わる ② 何を数に入れたか(水・鉱物)と、どの数え方かを聞く。COSMOSでは、ラベルの割合を切り上げられない ③ 持ち込まれる成分があると、その成分は「無添加」と書けない ④ 特定の成分を取り上げるなら、配合目的を必ず一緒に書く ⑤ COSMOSでは、認証機関の現地の検査がある。OEM先の工場の検査の段取りも聞く
返事が「オーガニック原料を使っています」だけなら、どの原料が、全体の何%かを計算表で聞き返してください。肌への試験と「テスト済み」の書き方は、化粧品の肌への安全性の試験 で確かめられます。
! こんなときは、決める前に立ち止まる
中身のごく一部だけがオーガニックなのに、商品名や見出しに大きく「オーガニック」と入れようとしているとき 「天然成分だから安心」「無添加だから肌にやさしい」と、安全を言い切る文を入れようとしているとき 何を入れていないかを書かずに、「無添加」とだけ書こうとしているとき 認証を受ける前に、認証マークの入った容器や箱を刷ろうとしているとき
今日やること
1 書きたい言葉を書き出す 容器と販売ページに入れたい「オーガニック」「天然由来」「無添加」の文を、全部書き出す 2 OEM先に計算と書類を頼む 「オーガニックと天然由来の原料の割合の計算表と、原料の認証の書類、持ち込まれる成分の一覧をください」と送る 3 認証を取るか決める 取るなら、COSMOSの認証機関を2つ以上選んで見積もりを頼み、OEM先と申し込む側を決める