OEMは、自分のブランドの化粧品を、ほかの会社に作ってもらうしくみです。「名古屋の会社」でも、作る工場は県外にある場合があります。反対に、県外の会社でも、愛知県内に工場を持つ場合があります。
近さを生かしたいなら、窓口(打ち合わせをする事務所)と工場を分けて見てください。工場に行けるかどうかは、試作の受け取りや製造の立ち会いに関わります。
愛知の会社は、どこに窓口と工場がある?
公式の会社概要を2026年10月27日に読むと、4社とも愛知県内に事務所がありました。ただし、工場の場所の書き方は会社ごとに違いました。
対象は、会社一覧に載せている愛知県の2社と、「化粧品 OEM 愛知」で上位に出る、一覧に載せていない2社です。一覧に載せていない会社の名前も、公式サイトの記載どおりに並べます。並び順に意味はなく、会社の良し悪しを比べる表ではありません。
| 会社 | 窓口 | 工場(公式の記載) |
|---|---|---|
| イリヤ化学 | 名古屋市千種区 | 愛知県春日井市 |
| 英昌化学工業 | 愛知県安城市 | 自社工場あり(住所は1か所だけ記載) |
| DMA | 名古屋市南区(名古屋本社・工場) | 名古屋と北海道 |
| シエンコスメティクス | 名古屋市守山区 | 公式サイトに記載なし |
英昌化学工業は、充填機や分析機器を備えた自社工場を持っていると書いています。ただし、工場の住所を会社の住所と分けて書いていません。安城市の住所が工場かどうかは、問い合わせで確かめてください。
この表から、愛知の会社は3つの型に分かれます。
県内に窓口と工場がある
- イリヤ化学(本社は名古屋、工場は春日井)
- 英昌化学工業(安城市。会社概要の住所は1か所)
- DMA(名古屋本社・工場)
県外にも工場や窓口がある
- DMAは、北海道にも工場がある
- イリヤ化学とDMAは、東京にも事務所がある
工場の場所が書かれていない
- シエンコスメティクス
- 製造をどこで行うかは、問い合わせで聞く
DMAは、北海道と名古屋に工場を持っていると書いています。北海道の工場は北海道白老郡白老町(北海道白老工場)にあります。なので、DMAに頼むときは、自分の品をどちらの工場で作るかを聞いてください。名古屋の工場で作るなら、近さを生かせます。
イリヤ化学は東京都台東区に東京営業所を、DMAは東京都中央区(東京オフィス)に事務所を置いています。東京の窓口から問い合わせても、作るのは愛知か北海道の工場です。反対に、名古屋の窓口に問い合わせても、作る場所が近いとは限りません。
4社は何を作れて、何個から頼める?
公式サイトの品目を見ると、4社のうち3社は、エアゾール(缶に詰めてガスで出すスプレーや泡)かヘアケアを中心に書いていました。スキンケアを広く書いていたのはDMAです。
| 会社 | 公式サイトの品目 | 何個から(公式の記載) |
|---|---|---|
| イリヤ化学 | ヘアスプレー・シャンプー・スキンクリーム・ヘアカラー・パーマ剤 | 公式サイトに記載なし |
| 英昌化学工業 | エアゾール製品の受託充填と処方開発 | 1,000本から |
| DMA | スキンケア・メイク・ボディケア・ヘアケア | 品目ごとに記載 |
| シエンコスメティクス | ヘアケア全般 | 公式サイトに記載なし |
表のとおり、作りたい品目で候補が変わります。品目ごとの記載は次のとおりです。
- イリヤ化学は、ヘアカラー・パーマ剤などの医薬部外品も含めて、約400品目を自社で作り、売っていると書いています。エアゾール製品の受託充填も事業に挙げています
- 英昌化学工業は、最小ロット(1回に頼める一番少ない数)を1,000本からとしています。条件によっては1,000本より少なくても相談できるとも書いています
- DMAは、販売計画をもとに、小ロットから大量生産まで対応すると書いています。品目ごとの数も載せていますが、同じ品目でもページによって数が違うため、自分の品目の数は問い合わせで確かめてください
- シエンコスメティクスは、シャンプー・トリートメント・染毛剤・パーマ剤など、ヘアケア全般の処方開発とOEM受託を主な仕事に挙げています
化粧水や美容液のようなスキンケアを作りたいなら、愛知の会社だけでは候補が少なくなります。その場合は、化粧品OEMの会社一覧で、品目と最小ロットから全国の会社を見てください。シャンプーやヘアカラーを作りたいなら、化粧品か医薬部外品かで頼める会社が変わります。区分の分け方は、シャンプーOEMの始め方と薬用との違いで確かめられます。
近くの会社に頼むと、何が変わる?
近くの会社なら、試作品の受け取りや工場での打ち合わせに、すぐ行けます。製造に立ち会うことを求める会社もあるので、工場の場所は移動の手間に関わります。
たとえばシエンコスメティクスは、依頼から納品までの流れの中で、製品で納品する場合は、製造のときに立ち会ってもらうと書いています。工場の場所が公式サイトに書かれていないので、立ち会う場所を先に聞いてください。
期間を公表している会社もあります。英昌化学工業は、試作品を出すまでを最短3日、商品になるまでを初回2〜3か月、2回目以降1〜2か月としています。ほかの3社は、期間を公式サイトに書いていませんでした。問い合わせから納品までの段階は、化粧品OEMの流れと納品までの期間で確かめられます。
一方で、近さだけで決めると、品目や数が合わない会社を選ぶことになります。決め手は、作りたい品目と数です。近さは、条件が同じ会社どうしを比べるときに使ってください。
自分の数で、最小ロットは何か月分?
最小ロットは、月に売れる数で割ると、何か月分の在庫になるかが分かります。使用期限や置き場所と合わせて、無理のない数か確かめてください。
- 最小ロット
- 1,000本(英昌化学工業の公式の記載)
- 仮に月に売れる数
- 180本
- 何か月分か
- 1,000本 ÷ 180本 ≒ 5.6か月
※ 月180本は仮の数です。自分の販売の見込みに置き換えてください
※ 最小ロットより少なく作れるかは、条件によるので会社に聞いてください
計算の結果が半年を超えるなら、少ない数で作れるかを聞くか、少ない数から頼める会社を全国から探してください。1回目の数を決める考え方は、化粧品OEMに必要な許可と製造販売元の決め方の「最小ロット・費用・期間を聞く」でも確かめられます。
許可は、どの会社が何を持っている?
自分のブランドで売るときは、誰が「製造販売元」になるかを決めます。製造販売元は、国内の市場に出す責任を持つ会社で、化粧品製造販売業の許可が要ります。工場で作る会社には、化粧品製造業の許可が要ります。大阪府の資料では、化粧品製造業は、化粧品を作る(包装・表示・保管を含む)ための許可とされています。
大阪府のFAQでは、自社の製品として市場に出し、製造は許可のある他社に頼むなら、化粧品製造販売業の許可が要るとされています。なので、自分で許可を取らないなら、OEM先に製造販売元になってもらえるかを聞いてください。
4社の公式サイトでは、許可の書き方が分かれました。
- DMAは、会社概要に化粧品製造業と化粧品製造販売業の許可番号を書いています
- シエンコスメティクスは、化粧品製造販売業の許可番号を書いています。化粧品製造業の許可は、会社概要に書かれていませんでした
- 英昌化学工業は、会社概要のあいさつで、化粧品の製造許可を取り、医薬部外品の許可も取ったことを書いています。許可の番号は書かれていませんでした
- イリヤ化学は、許可の種類を公式サイトに書いていませんでした
許可を書いていない会社も、許可が無いとは限りません。問い合わせで「製造販売元になってもらえますか。作る工場はどこで、化粧品製造業の許可はありますか」と聞いてください。許可の確かめ方は、化粧品OEMメーカーの選び方と比較項目の「OEM先の許可はどう確かめる?」で確かめられます。
次にやること
- 1品目と数を決める作りたい品目と、月に売れる見込みの数を書き出し、最小ロットが何か月分になるかを計算する
- 2候補を3社に絞る愛知の4社の品目が合わなければ、化粧品OEMの会社一覧で全国の会社から選ぶ
- 3工場の場所を聞く「依頼する品はどの工場で作りますか。製造に立ち会えますか。製造販売元になってもらえますか」と同じ文面で送る