化粧品OEM比較

自分のブランドの化粧品を海外で売るとき|輸出の証明書(自由販売証明書)の取り方・輸出届・中国・EU・米国の登録のあらまし・海外で使えない成分・OEM先に頼めること

化粧品の「輸出」とは、日本で作った化粧品を海外の国へ送り、その国で売ることです。海外で売るには、日本の側で証明書や届出をそろえることと、売る国の側でその国の決まりに沿って届け出ることの、両方が要ります。

そして、日本の側の手続きの多くは、化粧品の製造販売の許可を持つ会社にしかできません。なので、自分では許可を持たずにOEMで作っているブランドは、まずOEM先がどこまで引き受けてくれるかを確かめることになります。

結論

  • 売る国から「日本で売られている」ことの証明書を求められたら、日本化粧品工業会に申し込みます。申し込めるのは化粧品の製造販売業者か製造業者だけなので、OEM先(製造販売元)に頼んでください。
  • 中国・EU・米国はどこも、その国の中で責任を持つ人や会社を決め、売る前にその国に届け出る仕組みです。日本で出した届出は、そのままでは使えません。
  • 日本で使える成分でも、売る国では禁止されていたり、使う前に手続きが要ったりします。会社一覧の9社のうち、海外向けの対応を公式サイトに書いていたのは2社だったので、最初に聞いてください。
海外で売るまでの順番
売る国を決めるその国の届出の仕組みと、使えない成分を調べる
OEM先に相談する証明書・輸出届・成分の資料を、誰が用意するか決める
日本の書類をそろえる工業会の証明書と、要るときは輸出届
売る国で届け出るその国の責任者が、届出や登録をする

日本で取る証明書

売る国によっては、輸入の手続きのときに、その化粧品が日本の決まりに沿って作られ、日本で売られていることの証明書を求められます。日本の化粧品の場合、この証明書の申し込みの窓口は日本化粧品工業会です。

取引先から「自由販売証明書(Free Sale Certificate、FSC)」のような名前で求められたときも、申し込むのはこの工業会の証明書です。ただし、どの様式が当たるかは、証明書が要るか、どの様式が要るかは、申請する側が売る国の決まりと照らして確かめることになっています。

様式 証明すること
2-1 製造販売の許可
2-2 製造の許可
3 日本で売れる製品
4-1・4-2 日本で製造

日本で売られていることを示すのは様式3で、この証明書は、その化粧品が、日本の法律に沿って作られ、日本で売ることを認められていることを証明します。ただし、様式3と4は製品名だけを証明し、成分は証明しないので、売る国から成分の一覧を求められたら、証明書とは別に用意します。

工業会が出す証明書と、厚生労働省が出す証明書

工業会の様式

  • 原則はこちら
  • 1部 1,100円(工業会の会員)、4,400円(会員でない会社)
  • 届くまで14日以内(土日・祝日・年末年始などを除く)

厚生労働省の様式

  • 売る国の法令で、国の証明書を求められたときだけ
  • 1部 2,200円(工業会の会員)、6,600円(会員でない会社)
  • 届くまでおおむね20日(土日・祝日・年末年始などを除く)

国の通知では、売る国の法令で求められたときだけ、厚生労働省が証明書を出す(申し込みと書類の確認は工業会)とされています。どちらの様式でも、申し込めるのは化粧品の製造販売業者か製造業者だけです。

なので、製造販売の許可を持たずにOEMで作っているなら、証明書はOEM先(製造販売元)の名前で申し込んでもらうことになります。製造販売元がどの会社かは、自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可で確かめられます。

薬用化粧品(医薬部外品)の証明は、工業会ではなく、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で手続きします。薬用化粧品の承認は、薬用化粧品(医薬部外品)をOEMで作るときで確かめられます。

ラベルを外国語にするとき

日本で売っている化粧品の表示を外国語に変えて送るなら、日本の側の届出が1つ増えます。国の決まりでは、化粧品を輸出するために作る人は、前もって医薬品医療機器総合機構(PMDA)を通して、品目などを国に届け出ることになっていて、この届出を「輸出届」と呼びます。

たとえば国のQ&Aでは、日本で売っている品の表示を外国語に置き換えて輸出するなら、輸出届が要るとされています。さらに、輸出用の名前が違うだけでも、輸出届が要るとされています。

日本のラベルのまま送るか、外国語のラベルにするか

日本のラベルのまま

  • 証明書は、日本の販売名で申し込む
  • 売る国の言葉の表示が要るかは、その国の決まりで確かめる

外国語のラベル・輸出用の名前

  • 輸出届が要る
  • 英語の名前で証明書を取るなら、輸出届の写しも付ける
  • 届け出るのは、製造を頼んだ側の製造販売業者か製造業者

証明書の添付書類について、国の通知では、英語などの輸出用の名前で証明書を取るなら、輸出用化粧品製造届の写しも付けることになっています。なので、外国語のラベルにするなら、証明書より先に輸出届を出しておく段取りになります。

輸出届を出すのは、製造を頼まれた会社ではなく、製造を頼んだ製造販売業者か製造業者です。届け出る時期は、証明書の申し込みにかかる日数も考えて、輸出を始める前の適切な時期とされているので、証明書が届くまでの日数と合わせて、発売の予定に入れてください。

中国・EU・米国の仕組み

売る国の側の手続きは、国ごとに違います。ここでは、中国・EU・米国の公式の決まりに書かれている骨組みだけを並べるので、費用や日数は、その国で責任者になってくれる会社に確かめてください。

中国・EU・米国で、売る前にすること

中国

  • ふつうの化粧品は届出、特別な化粧品は登録
  • 中国の中の会社を指定する
  • 日本で売られている証明が要る

EU

  • EUの中に責任者を決める
  • 売り出す前にCPNPで届け出る
  • 製品の資料を10年残す

米国

  • 工場を登録し、製品を届け出る
  • 届け出るのは、ラベルに名前のある会社
  • 重い健康被害はFDAに報告する

中国

中国の法律(化粧品監督管理条例)では、特別な化粧品は登録(注册)、ふつうの化粧品は届出(备案)になっています。特別な化粧品に入るのは、髪を染める・パーマ・シミを防いで白くする(美白)・日焼け止め・抜け毛を防ぐ化粧品と、新しい効き目をうたう化粧品です。

なので、日本ではふつうの化粧品として売っている日焼け止めも、中国では登録が要る側に入ります。日本での日焼け止めの扱いは、日焼け止めをOEMで作るときで確かめられます。

ふつうの化粧品を中国へ輸入するときは、輸入する前に、国の薬の監督の役所(国家薬品監督管理局)に届け出ることになっています。そのとき出す資料には、処方か全成分と、作った国で売られていることを示す書類が入っています。

日本で売られていることの証明について、日本化粧品工業会は、中国の新しい決まりでは日本で売られていることが条件だと案内しています。そして、中国向けには様式3と一緒に、中国向けの販売証明書(様式3CN)も申請することになっています。

さらに、日本の会社は中国の中の会社を指定して、登録や届出をしてもらうことになっています。表示は、中国語の表示をそのまま使うか、中国語のラベルを貼ることができます。

EU

EU(ヨーロッパ連合)の化粧品の決まりでは、EUの中に「責任者(responsible person)」を決めた化粧品だけを、売り出せるとされています。そして、売り出す前に、責任者が欧州委員会に電子で届け出ることになっていて、その届出に使うのがCPNPという仕組みです。

CPNPは無料のオンラインの届出の仕組みで、CPNPに届け出れば、EUの国ごとに届け出し直す必要はないとされています。また、責任者が持つ製品の資料(製品情報ファイル)は、最後のロットを売り出してから10年残すことになっています。

米国

米国では、2022年の法律(MoCRA)で、化粧品を作る工場は、FDA(米国の食品医薬品局)に登録し、2年ごとに更新することになりました。そして、責任者は、売っている化粧品を1品ずつ、成分とともにFDAに届け出ることになっています。

ここでいう責任者は、ラベルに名前が載っている製造者・包装者・販売者のことで、重い健康被害が起きたらFDAに報告することも求められています。ただし、一部の小さな事業者は、工場の登録と製品の届出がいらないとされているので、自分のブランドが当たるかどうかは、米国で責任者になる会社に確かめてください。

海外で使えない成分

日本で化粧品に使える成分は、日本の化粧品基準で決まっています。ところが、売る国にはその国の成分の決まりがあり、日本で使える成分でも、そのまま使えるとは限りません。

たとえば中国では、中国で初めて化粧品に使う原料は「新原料」になるとされていて、防腐・日焼け止め・色付け・染毛・美白の働きをもつ新原料は登録を受けてから、それ以外の新原料は届け出てから使うことになっています。EUの決まりでも、付属書IIに載っている禁止の成分は、入れてはいけないとされています。

海外で売る予定があるなら、処方を決める前に売る国をOEM先に伝え、全成分をその国の決まりと照らしてもらえるかを聞いてください。日本の化粧品基準の読み方と、全成分表示の名前は、化粧品に使えない成分と、処方づくりの進め方で確かめられます。

9社の公式サイトの記載

化粧品OEMの会社一覧に載っている9社の公式サイトを、2026年10月18日に1社ずつ読み、OEMの案内・よくある質問・会社案内のページで、海外での販売について何を書いているかを数えました。

会社一覧の9社の公式サイトで「海外での販売」を確かめた結果
会社一覧に掲載9社
海外向けを記載2社
輸出の書類づくりを記載1社
国ごとの登録を記載0社
  • 海外向けを書いている会社の1社は、輸出向けの化粧品の製造から、英文の許認可の書類づくり、海外で売るノウハウまでをまとめて受け持つ部署があると書いています
  • もう1社は、よくある質問で、海外展開の相談にも対応でき、国や地域ごとに規制や手続きが違うので、詳しくは問い合わせるとしています
  • 納品先は国内だけと書いている会社:1社。この会社は、納品先は原則として日本の国内だけで、海外への輸出はお客様の側で判断して行うとしています

中国・EU・米国など、特定の国の届出や登録に対応すると書いていた会社はありませんでした。海外向けを書いていない会社も対応しないとは限らないので、候補の会社には次の文面で聞き、答えを並べて比べてください。

候補を3社に絞る手順は、化粧品OEMの会社の選び方で確かめられます。

OEM先に聞くこと

海外で売る相談のメールの見本数字は仮

件名〇〇(国の名前)で売る予定の美容液について(〇〇サロン)
売る国〇〇で、現地の代理店を通して売る予定です①
証明書日本で売られていることの証明書を、御社の名前で申し込んでいただけますか②
ラベル外国語のラベルにする場合、輸出届は御社で出していただけますか③
成分全成分を、〇〇の成分の決まりと照らしていただけますか④
資料現地の届出に要る処方や試験の資料は、どこまで出していただけますか⑤
  1. ①国によって、届出か登録か、現地の責任者が誰かが変わる
  2. ②申し込めるのは製造販売業者か製造業者だけ。工業会の様式は1部1,100円か4,400円
  3. ③表示を外国語にしたり、輸出用の名前を付けたりするなら、輸出届が要る
  4. ④日本で使える成分でも、売る国では禁止や手続きが要ることがある
  5. ⑤中国のふつうの化粧品の届出では、処方か全成分を出す

処方や資料をどこまで出してもらえるかは、処方が誰のものかにもかかわるので、契約で決めておきます。決め方は、化粧品OEMの契約書で決めることで確かめられます。

今日やること

  1. 1売る国を1つに絞る最初に売る国と、その国で責任者になってくれる会社(代理店など)の候補を決める
  2. 2OEM先に送る「〇〇で売る予定です。日本で売られていることの証明書を御社の名前で申し込めますか。外国語のラベルにするなら輸出届を出していただけますか。全成分を〇〇の決まりと照らしていただけますか」と送る
  3. 3成分を照らしてもらう処方の案の全成分を、売る国の禁止の成分や新原料の決まりと照らしてもらう

出典