商標は、商品に付ける名前やマークのことです。特許庁に登録すると、その名前を自分だけが使える権利(商標権)になります。
化粧品では、もう1つの名前があります。製造販売届に書く「販売名」です。販売名は容器にも載ります。商標と販売名は別の決まりですが、ぶつかると困るのは同じ名前です。そこで、2つをつなげて進め方を説明します。
化粧品は何類で出す?
第3類です。商標の区分は、商品の種類ごとに決まっています。国の決まり(商標法施行令)の別表では、化粧品は第3類(洗浄剤及び化粧品)に入っています。
出願の書類(願書)には、使う商品(指定商品)と、その商品が入る区分を書きます。化粧水もクリームも口紅も、まずは第3類の化粧品として考えます。
区分の数で、お金が変わります。区分を増やすほど、1区分ごとの料金が足されます。化粧品だけを売るなら、まず第3類の1区分で足りるかを考えます。
商標登録しないと、何が困る?
あとから同じ名前を出した人に、先を越されることがあります。商標は、先に出した人が勝つ決まりです。法律は、同じか似た商品に使う、同じか似た商標の出願が別の日に2つ以上あれば、いちばん先に出した人だけが登録を受けられるとしています。
登録すると、指定した商品について、登録した商標を使う権利をひとり占めできるようになります。権利は設定の登録をされたときに生まれるものです。出願しただけでは、まだ権利はありません。
権利の長さは設定の登録の日から10年です。更新の申請をすれば、10年の期間を更新できるので、売り続けるなら10年ごとに更新します。
特許庁に納めるお金は?
出願のときと、登録のときの2回あります。
| 納めるもの | 額 |
|---|---|
| 出願料 | 1件3,400円に、1区分ごとに8,600円を足した額 |
| 登録料(10年分) | 1区分につき32,900円 |
| 登録料(分けて納める) | 1回につき1区分17,200円 |
| 更新の登録料 | 1区分につき43,600円 |
登録料は、10年分をまとめて納めるか、2回に分けて納めるかを選べます。分けるときは、残りの半分は、10年が終わる5年前までに納める決まりです。
- 出願料(1区分)
- 1件3,400円に、1区分ごとに8,600円を足した額
- 登録料をまとめて納める(1区分)
- 1区分につき32,900円
※ 分けて納めると、登録までに29,200円、10年分の合計は46,400円です。
※ 弁理士(商標の手続きを代わりにする国家資格の人)に頼むなら、その費用は別にかかります。
5年でブランドをやめるかもしれないなら、分けて納める方が、最初のお金を抑えられます。10年売ると決めているなら、まとめて納める方が合計は安くなります。
出願の前に、何を調べる?
同じ名前や似た名前が、もう登録されていないかを調べます。法律は、先に出願された他人の登録商標と同じか似た商標で、同じか似た商品に使うものは登録を受けられないとしています。同じ名前だけでなく、似た名前も登録できません。
調べるのは、J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)です。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)では、商標などの公報を無料で検索・閲覧できる。
- 1名前を入れる商標の検索で、ブランド名を入れる。カタカナと英字の両方で調べる
- 2第3類を見る出てきた登録のうち、第3類(化粧品)のものを見る
- 3似た名前も見る読み方が近い名前、1字違いの名前がないかを見る
同じ名前が第3類にあったら、その名前はやめます。似ているかどうかで迷うときは、出願の前に弁理士に相談してください。
販売名の決まりと商標は、どうつながる?
他社の商標とぶつかる販売名は、届出で使えません。静岡県は、販売名について他社が商標権を持っているとはっきりしている名前は使わないとしています。東京都も、ほかの会社が商標権を持っているとはっきりしている名前は使えないとしています。
販売名は、製造販売届に書く正式な名前です。静岡県は、届に製造販売届には、製品の販売名を書くよう求めています。届けたあとで名前を変えるなら、届け出たあとの変更は「変更届」で行うことになります。
販売名
- 製造販売届に書き、容器に載る名前
- 決まりは、都道府県が案内している
- 他社の商標とぶつかる名前は使えない
商標
- 特許庁に登録して、自分だけが使える名前
- 化粧品は第3類で出す
- 先に出した人が勝つ
つまり、商標を調べずに販売名を届けると、あとで名前を変えることになりかねません。容器や箱を刷ったあとなら、刷り直しにもなります。販売名で使えない言葉の一覧は、化粧品の販売名ルールとNG例・決める順番にあります。
OEM先に任せられる?
商標を流れに入れている会社もありますが、少数です。化粧品OEMの会社一覧の139社で、公式の記載に「商標」が出てくる会社は1社でした。オキナは、安定性試験の段階で安定性試験の段階で、薬事や商標などの各種申請を行うを行うと書いています。
商標の権利を持つのは、自分の名前で出願して登録を受けた人です。一方、容器の製造販売元の欄には製造販売業者の名前と住所を書きます。OEM先が製造販売元でも、商標は自分の名前で持っておくと、OEM先を変えても名前を使い続けられます。誰の名前で出願するかは、OEM先に必ず確かめてください。契約書に書くことは、化粧品OEMの契約書で決めることにあります。
自分のブランド名を容器に載せると、製品の事故で責任を問われることもあります。備え方は、化粧品のPL保険とOEMの発売元の責任で確かめられます。
決める順番は?
出願から登録までには、特許庁の審査があります。先に出した人が勝つので、出願は販売名の届出や発売より前に済ませてください。届出の分担は、化粧品の製造販売届は誰が出す?OEMでの分担と出し方で確かめられます。
次にやること
- 1J-PlatPatで調べるブランド名の案をカタカナと英字で入れ、区分「03」で同じ・似た名前がないかを見る
- 2出願の方法を決める第3類の1区分で、自分で出すか、弁理士に頼むかを決める。お金は特許庁に納める分だけで44,900円(10年分まとめて)
- 3OEM先に伝える「ブランド名は当社の名前で商標を出願しました。販売名はこの名前で届が通るか、届の前に見ていただけますか」と送る