化粧品OEM比較

化粧品のPL保険とOEMの発売元の責任

PL保険は、製品の欠陥で人にけがをさせたときなどの賠償に備える保険です。もとになる法律は「製造物責任法」で、PL法とも呼ばれます。まず、OEMの発売元がなぜ責任を負うのかを、法律から確かめます。

工場が作ったのに、自分にも責任がある?

あります。責任を負うのは、作った会社だけではありません。法律は「製造業者等」として、次の人を挙げています。

  • 作った人:製品を仕事として作った、加工した、または輸入した者
  • 名前を表示した人:作った者として製品に自分の名前や商標を表示した人や、作った者と思わせる名前を表示した人
  • 実際に作った人と見られる人:売り方などの事情から見て、実際に作った者と認められる名前を表示した人

OEMについて、消費者庁ははっきり答えています。ブランドを付けて作らせた場合は、ブランドを付けたことで製造業者として表示したとみなされる場合などは、表示製造業者に当たり、製造物責任を負う対象になるとしています。

立場 製造物責任法では
作ったOEM先 製造業者に当たる
ブランドを付けた自分 表示製造業者になりうる
仕入れて売るだけの店 基本は対象外

店については、消費者庁はただ売るだけの販売業者は、基本的にはこの法律の対象ではないとしています。ただ、自分のブランドを付けて売るなら、「売るだけ」ではなくなります。

容器の製造販売元の欄には、製造販売業者の名前と住所を書きます。これとは別に、発売元として自分の名前を載せることがあります。たとえばベル・クール研究所は、製造販売元の会社が許可を持つので、発売元のお客様が新たに許可を取る必要はないとしつつ、個人の依頼では個人事業主でも作れるが、販売元に社名を書く必要があるとしています。発売元に自分の名前が載ると、表示製造業者に当たるかを考える必要が出てきます。

どんな欠陥で責任を負う?

欠陥とは、その製品がふつう備えているべき安全さを欠いていることです。責任を負うのは、引き渡した製品の欠陥で、人の命・体・財産を傷つけたときの損害です。

化粧品で気をつけたいのは、使い方の注意の書き方です。消費者庁は、欠陥の1つとして、取り除けない危険について、事故を防ぐための適切な情報を与えなかった場合(指示・警告上の欠陥)を挙げています。容器や箱の注意書きを自分で決めるなら、ここは自分の仕事に直結します。

一方で、製品そのものが壊れただけなら、この法律の対象ではありません。法律は、損害がその製品だけに生じたときは、この法律の賠償の対象にならないとしています。肌に赤みが出た(体の被害)、服を汚した(製品以外の物の被害)、という場合が対象になりえます。

責任は、いつまで続く?

2つの期限のうち、早い方で終わります。

  • 被害者が知ってから:被害者が損害と賠償する者を知ってから3年。人の命や体を傷つけた場合は、この3年が5年になる
  • 引き渡してから:製造業者等が製品を引き渡してから10年
例:仮に2027年5月に引き渡した化粧水の場合仮の数字
引き渡した月
2027年5月
引き渡してからの期限
10年
責任を問われうる最後の月2037年5月

※ 2027年5月は仮の月です。使用期限が3年でも、この期限は10年で数えます。

つまり、ブランドをやめたあとも、売った品の責任は残ります。保険をやめる前に、やめたあとの事故がどう扱われるかを保険の窓口に聞いてください。

PL保険は、入らないといけない?

法律の義務ではありません。消費者庁は、製造物責任法には、PL保険への加入を義務づける決まりはないとしています。PL保険は、保険会社や事業者団体などの保険商品、または助け合いの制度の一つです。

ただし、取引先が契約で求めるなら、その条件に合わせることになります。求められた補償の額と、証明の書類(加入の証明など)が要るかを、取引先に先に聞いてください。

PL保険は、何を補う?

製品の事故で負う賠償を補います。日本損害保険協会は、生産物賠償責任保険(PL保険)について、製造・販売した製品の欠陥などが原因で、会社が法律上の損害賠償責任を負ったときの損害を補うと説明しています。

回収の費用は、分けて考えます。回収になったら、回収が必要になったら、市場に出した製造販売業者がすぐに対応するとされています。事業者団体の制度でも、PLとリコール(回収)を別の項目に並べるものがあります。全国商工会連合会の制度は、PLとリコールによる賠償責任を、施設や業務中の賠償責任と並べて補うとしています。見積もりを取るときは、回収の費用が入るかを必ず聞いてください。

回収の手順と報告の流れは、化粧品の品質管理と自主回収の進め方にあります。

自分で入るか、OEM先の保険で足りるか

まず、OEM先の保険で自分が守られるかを聞きます。OEM先が入っていても、誰が補償の対象かは、保険の中身を見ないと分かりません。

化粧品OEMの会社一覧の139社のうち、化粧品製造販売業の許可を公式に書く会社は63社でした。こうした会社に製造販売元を任せても、発売元に自分の名前が載れば、上の表のとおり自分も責任を負いうる立場です。

自分で入るか、OEM先の保険に頼るか

自分で入る

  • 取引先に、自分の名前の加入を求められている
  • 複数のOEM先の品を、同じブランドで売る
  • 注意書きや売り文句を、自分で決めている

OEM先の保険を確かめる

  • OEM先の保険で、発売元の自分も対象に入ると書面で確かめた
  • 1社のOEM先の品だけを売る
  • 取引先が、自分の名前の加入を求めていない

どちらにしても、事故のときにOEM先と自分のどちらが払うかは、契約書に書きます。書き方は、化粧品OEMの契約書で決めることにあります。個人で頼むときの分担は、化粧品OEMは個人でも頼める?条件と自分の責任で確かめられます。

例:仮にドラッグストア1社に卸し、ネットでも売るなら、自分で入る方が合います。取引先ごとに求める条件が違っても、自分の契約なら合わせやすいからです。

保険料は、保険会社や制度ごとに違います。同じ条件をそろえて、2〜3か所から見積もりを取って比べてください。

ブランド名の権利を固める手順は、化粧品の商標登録は第3類 費用と販売名の届出の順番にあります。

次にやること

  1. 1OEM先に聞く「御社のPL保険で、発売元の当社も補償の対象に入りますか。入らないなら、その旨を書面でいただけますか」と送る
  2. 2取引先の条件を聞く補償の額と、加入の証明の書類が要るかを、取引先に確かめる
  3. 3同じ条件で見積もる対象の製品・補償の額・回収の費用の有無をそろえ、2〜3か所から見積もりを取る

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出典