化粧品OEM比較

化粧品の肌トラブルのクレーム対応と報告先

化粧品で肌の不調が出たという相談は、少なくありません。国民生活センターに寄せられた化粧品の危害の相談は、2025年度に2,847件でした。

化粧品の危害の相談を1日あたりにすると
2025年度の相談件数
2,847件
1年の日数
365日
1日あたり約8件

※ 消費生活センターなどを通した相談は含みません。シャンプーなども含む数です。

連絡を受けたときに何をするかは、自社が「発売元」か「製造販売業者」かで変わります。先に、どちらに当たるかを確かめてください。

自社は発売元?製造販売業者?

容器の裏の「製造販売元」に書かれた会社が、製造販売業者です。法律で、容器には製造販売業者の名前と住所を書くと決まっています。

OEMでは、2つの形があります。

  • 発売元:自社は許可を持たず、OEM先が製造販売元になる形。容器には「製造販売元」にOEM先、「発売元」に自社が並びます
  • 自社が製造販売業者:自社が化粧品製造販売業の許可を持ち、OEM先には作るのを頼む形。容器の「製造販売元」は自社です

どちらにするかの決め方は、化粧品OEMに必要な許可と製造販売元の決め方にあります。

最初の返事で何を伝える?

3つです。連絡へのお礼、使うのをやめてほしいこと、調べるために教えてほしいことです。

国民生活センターは、除毛剤の注意の呼びかけで、肌に赤み・かゆみ・痛み・腫れなどの異常が出たら、すぐに使うのをやめ、症状によっては皮膚科医にかかるよう勧めています。返事でも、この順で伝えます。

原因が分かる前に、「商品のせいではない」とも「商品のせいです」とも言わないでください。原因を調べて判断するのは製造販売業者です。

お客様への最初の返事の見本(例)数字は仮

  1. ①お礼とお詫びご連絡ありがとうございます。肌に合わず、ご不便をおかけしています症状を軽く見たと受け取られる言い方を避ける
  2. ②使用の中止お手数ですが、いったん使うのをおやめください国民生活センターも、異常が出たら使うのをやめるよう勧めている
  3. ③受診のすすめ赤みやかゆみが続くときは、皮膚科でご相談ください病院にかかったかどうかで、国への報告が要るかが変わる
  4. ④教えてほしいこと使い始めた日、症状が出た所、容器の製造番号を教えてください製造番号で、同じロットの在庫と出荷先をたどれる
  5. ⑤品物のお願い使いかけの品は、捨てずにお手元に置いてください原因を調べるのに使うので、送ってもらう段取りを後で伝える

何を聞いて記録する?

小さな連絡も、全部記録します。大阪府は、製造販売業者に、お客様や作る会社からの品質の問い合わせは、小さなものでも記録し、健康への影響を評価して原因を調べ、必要なら改善するよう求めています。発売元が記録を残さないと、製造販売元はこの評価ができません。

聞く項目は、次の5つです。

  • 連絡を受けた日時と、受けた人
  • 商品名と製造番号(容器の底や外箱にある番号)
  • 使い始めた日と、症状が出た日・場所・様子
  • 病院にかかったか、入院したか、治るまでどのくらいか
  • 使いかけの品が手元にあるか

品質の苦情から回収になった例もあります。厚生労働省の回収情報には、社内の検査に合格して出荷した口に使う化粧品で、お客様からの変色の苦情をきっかけに社内基準を超える細菌が見つかり、クラスⅡの回収になった例が載っています。「においが変」「色が違う」という連絡も、同じように記録してください。記録の見本は、化粧品の品質管理と自主回収の進め方にもあります。

発売元は、誰に伝える?

製造販売元のOEM先に伝えます。国への報告は、発売元ではなく製造販売業者の務めです。

PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、医薬部外品と化粧品の製造販売業者は、副作用などを知ったら報告する必要があると案内しています。法律でも、化粧品の製造販売業者は、副作用などによると疑われる病気・障害・死亡の発生などを知ったら、国の決まりに沿って厚生労働大臣に報告することになっています。

報告の期限は、製造販売業者がその事実を知った日から数えます。だから、発売元の手元で連絡を止めると、OEM先が調べて報告する日数が減ります。連絡はその日のうちに、決めた方法で送ってください。

連絡の方法は、前もって決めておきます。東京都は、品質の情報をすぐ連絡する方法と責任者、安全の情報の担当者と連絡の期限を、前もってはっきり決めておくことが必要だとしています。誰に、何日以内に、メールか電話か。契約の前にOEM先と決め、書面に残してください。書き方は化粧品OEMの契約書で決めることにあります。

発売元と製造販売業者で変わる仕事

発売元(OEM先が製造販売元)

  • お客様の話を聞き、記録する
  • その日のうちに、OEM先へ伝える
  • 品物を預かり、OEM先へ送る
  • OEM先の判断を、お客様に伝える

自社が製造販売業者

  • 品質と安全の情報として評価する
  • 原因を調べ、OEM先の工場に調査を頼む
  • 措置を決め、期限内にPMDAへ報告する
  • 記録を残し、決めた年数保存する

発売元でも、責任がかかることはある?

あります。製造物責任法(PL法)では、製品の欠陥で人の体や財産に損害が出たときの責任を「製造業者等」が負います。この「製造業者等」には、作った会社でなくても、製造業者として名前や商標を表示した者や、実質的な製造業者と認められる表示をした者も入ります。

自社のブランド名を大きく出して売るなら、作っていなくても「製造業者等」に当たることがある、と考えておいてください。治療費や補償をどちらが受け持つかも、OEM先との契約で決めておきます。

国への報告は、いつまでに、どうやって?

期限は、起きたことの重さで決まっています。

  • 死亡:15日以内
  • 重い症例の一部:15日以内(重い症例のうち、使用上の注意から予測できないものと、予測できても起き方の傾向が予測できない・変わったもの)
  • それ以外の重い症例など:30日以内(15日の対象にならない重い症例と、有害な作用のおそれを示す研究報告)

ここでいう重い症例は、障害、治療のための入院(入院が長引く場合を含む)、治療に30日以上かかる症例などです。「予測できない」は、容器などの注意書きから予測できない、という意味です。

報告は、PMDAが受け付けています。方法は、電子的な報告・CDなどでの報告(化粧品はメール)・紙の報告のどれかです。

軽い肌荒れ1件ごとに、期限つきの報告が要るわけではありません。ただ、報告が要らなくても、製造販売業者は記録して検討します。

自社が製造販売業者なら、何をする?

品質の決まりと安全の決まりの両方で動きます。

品質の決まり(GQP省令)では、品質の情報を得たら、人の健康への影響を評価し、原因を調べ、改善が要るなら手を打って記録することになっています。さらに、品質の情報のうち安全の確保に関わるものは、安全管理責任者にすぐ文書で渡す決まりです。

安全の決まり(GVP省令)では、化粧品の製造販売業者は「第三種製造販売業者」に当たるとされています。集めた情報は、すぐに検討して、その結果を記録することが求められます。検討の結果、必要なら、廃棄・回収・販売の停止・注意事項の変更・国への報告などの措置を立てることになっています。そして、措置の案を評価して、どうするかを決めるのは総括製造販売責任者です。

自社が製造販売業者のときの流れ
  1. 1記録するお客様や販売店から受けた連絡を、品質と安全の記録に残す
  2. 2調べる同じ製造番号の苦情が他にないか、工場の記録に異常がないかを見る
  3. 3重さを決める入院したか、治るまでの長さはどうかを聞き、期限つきの報告に当たる重い症例かを決める
  4. 4措置を決める総括製造販売責任者が、注意書きの変更・販売の停止・回収などを決める

大阪府の手順書モデルでは、様式Q-5「品質情報処理記録」と様式Q-6「品質情報調査依頼書」、様式V-1&2「安全管理情報収集記録票&安全管理情報詳細票」と様式V-3「安全管理情報処理記録」が、この記録の様式です。手順書の作り方は、化粧品のGQP・GVP手順書に書くことと残す記録にあります。

卸先や販売店に、お客様から連絡が入ることもあります。卸先や販売店にも、連絡の窓口と期限を伝えておいてください。

治療費や返金を求められたら?

その場で約束せず、製造販売元と相談してから答えます。

例:仮に、美容液を使って3日後に頬が赤くなり、皮膚科で薬をもらった、と連絡が来たとします。発売元はまず記録して、その日のうちにOEM先へ伝えます。お客様には「製造販売元と確かめて、〇日までにご連絡します」と期日を示します。

返金は、自社の販売の決まりで答えられます。治療費は、原因の調べと契約の分担によるので、OEM先の判断を待ってから答えます。

製造販売元を任せられるOEM先は?

化粧品OEMの会社一覧の139社のうち、化粧品製造販売業の許可を公式サイトに書く会社は63社でした。

ただ、許可を持つことと、製造販売元を引き受けることは別です。10月に調べた9社では、製造販売元を引き受けると明記した会社は0社でした。肌の不調の連絡の窓口も、問い合わせで確かめてください。

次にやること

  1. 1製造販売元を確かめる自社の商品の容器を見て、「製造販売元」と「発売元」に書かれた会社を確かめる
  2. 2連絡の決まりを作る聞く5項目と、OEM先へ伝える相手・期限・方法を1枚にまとめ、販売スタッフに渡す
  3. 3OEM先に聞く「お客様から肌の不調の連絡が来たら、どなたに、何で、いつまでに伝えればよいですか。治療費をどちらが払うかも決めさせてください」と送る

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出典