OEMで作った化粧品が売れないと、残るのは在庫と、先に払ったお金です。在庫は、作る数を決めた時点でほぼ決まります。だから「何個作るか」を、売り方と同じくらい先に決めます。
最初の数は、何で決める?
売れる見込みの数と、売り切るまでの月数のかけ算で決めます。
月数の目安には、品質を保てる期間を使います。決まりでは、作って(輸入して)から、適切に保存して3年を超えて品質が変わらない化粧品は、使用期限を書かなくてよいとされています。反対に、作って(輸入して)から、適切に保存しても3年以内に品質が変わるおそれのある化粧品は使用期限を書く必要があります。
OEM先も、この期間を前提に話をします。日本ゼトックは、室温で3年間は品質を保証できるよう確かめると書いています。Q美ワールドは、2年半(30か月)で売り切る前提で試算しています。
- 仮の売れる数
- 月20個
- 売り切る月数(Q美ワールドの試算と同じ)
- 30か月
※ 月20個は仮の数です。まだ売ったことが無いなら、上限よりさらに少なく始めます。
同じ会社は、30か月で売り切るには、1,000個なら月に約33個、3,000個なら月に約100個売る必要があると試算しています。自分の見込みがこの数に届かないなら、1,000個は多すぎます。
最低数が多すぎるときは、どうする?
3つの手があります。最低数の小さい会社に替える、仕様を軽くする、売れてから増やす、です。
最低数の小さい会社に替える
化粧品OEMの会社一覧のうち、公式の最低数に100個(本)以下の数を書く会社は14社でした。
| 会社 | 最低数(公式の記載) | 条件 |
|---|---|---|
| ゼロ・インフィニティ | 容器も含めて100個から | メイクは対象外 |
| オリオン粧品工業 | 原則1,000本から | 割安は3,000本から |
ゼロ・インフィニティは、十数万円の初期投資で、在庫負担もなく作れると書いています。容器に名前を入れるのも、100個から容器に直接印刷できるとしています。ただしメイクアップは100個ロットの対象外(一部を除く)で、固形石鹸は500個からです。作りたい品目で、最低数が変わらないかを確かめてください。
- 1,000本から(オリオン粧品工業)/100個から(ゼロ・インフィニティ)
- 最低数
- 仮の売れる数
- 月20個
※ 50か月は、品質を保てる期間の目安の3年(36か月)を超えます。
仕様を軽くする
Q美ワールドは、特殊な加工や複雑な仕様を減らすと、小ロットにしやすいと書いています。既にある容器やラベルで調整できる場合があるとも書いています。容器の色や形にこだわるほど、最低数は上がります。最初は既製の容器とラベルで出し、売れてから作り込む順番にします。
数だけを減らしても、安くはならない
最低数より減らすと、1個あたりの値段が上がります。Q美ワールドは、500個に減らしても単価が上がるだけで、リスクは減りにくいとしています。理由の1つは、ラベルや化粧箱は、500個でも1,000個でも合計金額はさほど変わらないことです。オリオン粧品工業も、1,000本より少ない数で作ると、容器や箱の選べる幅が狭くなり、1本あたりが割高になると書いています。
単価を公表している会社では、ちがいが数字で見えます。セスコーポレーションの目安では、100〜300個で1個あたり1,500〜3,000円、500〜1,000個なら1個あたり1,000〜2,000円です。高い単価でも売り切れる値付けにできるかを、作る前に決めてください。1個あたりの費用の出し方は、化粧品OEMの費用と見積書の読み方にあります。
払い方と、2回目の条件も聞く
在庫だけでなく、先に払うお金もリスクです。ゼロ・インフィニティは、初めての取引の支払いは前金としています。丸菱石鹸も、初回は商品と引き換えか前金と書いています。
2回目からの条件が、初回と違う会社もあります。丸菱石鹸は、初回は1釜(90gで320個前後)から受けますが、2回目以降は2釜以上からとしています。初回が少なく済んでも、追加の注文は増えることがあります。売れたあとの数まで、最初に聞いてください。
納期も在庫の量に響きます。ゼロ・インフィニティは、注文から2〜3か月ほどかかると書いています。追加の注文が間に合わないと思うと、多めに作りがちです。追加の注文の納期を聞き、その間に売れる分だけを手元に置きます。
売れない原因を、発売前に減らすには?
数の決め方のほかに、発売前に決めておくことが3つあります。
- 売る場所:サロンの店頭か、ネットか、卸か。月の数の見込みは、売る場所ごとに出します
- 言える効き目:化粧品で言える効き目は56項目に決まっています。売り文句が一覧の外なら、言い換えを先に考えます。言い方は化粧品の広告で言える効き目と言い換え方で確かめられます
- 試す方法:日本ゼトックは、発売までに6か月製品の安定性(時間がたっても中身が変わらないか)を確かめると書いています。この間に、試作品を常連の客に使ってもらい、感想を集められます
OEM先が、売れたあとの手を一緒に考える例もあります。オリオン粧品工業は、売れ行きやリピート注文に応じて、処方の改良やリニューアル、追加商品を提案すると書いています。Q美ワールドも、販売計画を聞いて、無理のない初回ロットと割安になる製造数を説明するとしています。見積もりの前に、自分の販売の計画を数字で渡してください。
すでに在庫を抱えているなら、追加の注文を止め、売る場所を1つ足すことから始めます。販売ページで書く事項は、化粧品通販の特商法表記と定期購入のルールにあります。
次にやること
- 1上限の数を出す「1か月に売れる数×30か月」を計算し、最初に作ってよい数の上限を書き出す
- 2最低数で候補を絞る化粧品OEMの会社一覧で、上限より最低数が小さい会社を3社選ぶ。大手と比べるなら化粧品OEM大手の規模と小ロットで頼めるかも見る
- 32回目まで聞く「初回◯個と、2回目以降の最低数・納期・支払い方法を教えてください。既製の容器とラベルで作る場合の数も知りたいです」と送る