化粧品OEM比較

自分のブランドの化粧品をネットで売るときの決まり|特定商取引法の表示・最終確認画面・定期便・打消し表示・ECモール

自分のブランドの化粧品を、自社のサイトやECモールで売ることは、特定商取引法(通信販売などの売り方の決まりを定めた国の法律)でいう「通信販売」に当たります。この法律は、販売ページに書くことと、注文を確定する直前の画面(最終確認画面)に書くことを決めていて、定期便(定期購入)の書き方には、とくに細かい決まりがあります。

結論

  • 販売ページには、価格と送料、支払と届ける時期、返品の決まり、事業者の名前・住所・電話番号を書きます。返品を受けないなら「受けない」と書いておかないと、お客様は受け取ってから8日以内なら返品できます。
  • 最終確認画面には、2022年6月1日から、分量・価格と送料・支払・届ける時期・申込みの期間・解約と返品の6つを書く決まりです。定期便なら、届ける回数と総額、解約の期限と方法まで書いてください。
  • 「初回◯円」や「お試し」を大きく出し、定期便の条件を小さな文字や離れた場所に書くと、特定商取引法でも景品表示法でも問題になり、お客様に申込みを取り消されることもあります。

定期便の最終確認画面の見本(例:化粧水の4回お届けコース)数字は仮

商品価格初回 1,000円 / 2〜4回目 各3,000円(税込)①
送料(1回当たり)500円(税込)①
お届けする量1回に120mLを1本、全4回②
お支払総額12,000円(税込・送料込み)③
お支払い方法クレジットカード(お届けのたびに)④
お届け時期初回は注文から4日以内、2回目からは前回の1か月後④
解約について次回発送の5日前までに、マイページか電話で⑤
注文を確定する(ボタン)⑥
  1. ①初回と2回目以降の値段を並べて書く。送料も金額で書く
  2. ②1回に届く量と、届ける回数を書く
  3. ③払う総額を書く。回数を決めない定期便なら、1年分などの目安と、それが目安であることを書く
  4. ④いつ払い、いつ届くかを書く
  5. ⑤解約の期限・方法・違約金の有無を書く。電話で受けるなら、確実につながる番号を書く
  6. ⑥押すと申込みになると分かる言葉にする。条件は、このボタンより上にまとめる

販売ページに書くこと

特定商取引法は、通信販売の広告に書く事項を決めています。ここでいう広告には、自社サイトの商品ページだけでなく、SNSの広告から飛ぶ1枚の販売ページも入り、消費者庁は、商品を紹介するランディングページも、特定商取引法の広告に当たると説明しています。

書くこと 書き方の例
販売価格と送料 税込の金額
ほかに払うお金 代引き手数料の額
支払の時期と方法 カード・後払い
届ける時期 「4日以内に発送」
返品の決まり 可否・期間・送料
事業者の情報 名前・住所・電話
会社の責任者 代表者か担当者
定期便のとき 回数と販売条件

表の書き方について、消費者庁のQ&Aは次のように説明しています。

OEMで作った化粧品では、容器の裏には製造販売業者の名前と住所を書く決まりがあるので、OEM先が製造販売元なら、容器にはOEM先の名前が入ります。一方で、販売ページの「特定商取引法に基づく表記」に書くのは、お客様と売買の契約をする自分の会社の名前・住所・電話番号です。

容器の表示の見方は、自分のブランドの化粧品をOEMで作るときの許可の「容器の表示の見方」で確かめられます。

返品の決まりの書き方

通信販売には、訪問販売のようなクーリング・オフ(一定の期間なら理由を問わず契約をやめられる仕組み)はありません。その代わり、返品の決まり(法律では「返品特約」と呼びます)を書いていなければ、お客様は商品を受け取った日から数えて8日以内なら返品でき、その送料はお客様が払うことになっています。

返品の決まりを書いていないとき・書いたとき

書いていないとき

  • 受け取ってから8日以内なら、お客様は返品できる
  • 返品の送料は、お客様が払う

書いたとき

  • 書いた決まりのとおりになる(例:未開封に限り、到着から7日以内)
  • ネットで売るなら、販売ページと最終確認画面の両方に書く
  • 価格や電話番号の近くに、目立つ文字で書く

返品を受けないなら、「商品に欠陥がある場合を除き、返品には応じません。」のように、はっきり書いてください。一方で、「返品はその都度ご相談に応じます」という書き方は、返品できるかどうかを前もって伝えたことにならないとされています。

ネットで売るときは、販売ページと最終確認画面の両方に書くことが、書いた決まりのとおりにするための条件です。また消費者庁のガイドラインは、返品できるか・条件・送料の3つを、価格や電話番号の近くに、価格と同じ大きさの文字や、色文字・太文字で目立たせるよう求めています。

最終確認画面に書く6つ

最終確認画面とは、押すと申込みが終わるボタンのある画面のことで、多くのサイトでは「ご注文内容の確認」といった題の画面です。2022年6月1日から、この画面に次の6つを書くことが、特定商取引法で義務になりました。

書くこと 定期便で足すこと
分量 届ける回数
販売価格と送料 2回目以降と総額
支払の時期と方法 各回の支払時期
届ける時期 各回の届く時期
申込みの期間 期限があるとき
キャンセル・返品 解約の期限と方法

販売ページに書いてあっても、最終確認画面に書く義務は別にあります。ただし、全部を書くとかえって読みにくいときは、どこを見ればよいかを画面に示したうえで、リンク先などで見せてもよいとされています。

一方で、解約の受け方を限るとき(電話だけで受ける、など)は、リンク先に任せず、販売ページと最終確認画面の両方にはっきり書くよう求められています。確定ボタンや画面の作りについては、ガイドラインに次のような例が挙がっています。

確定ボタンと画面の作り(消費者庁のガイドラインに挙がっているもの)

問題になるおそれがある作り

  • ボタンの言葉が「送信する」「次へ」だけで、申込みだと分からない
  • 定期便の条件を、確定ボタンより下に書く
  • はじめから定期便で申し込むように設定しておく
  • 注文の中身を直すボタンが無い

求められる作り

  • ボタンの言葉は「申込みを確定する」のように、押すと申込みになると分かるものにする
  • 6つの事項は、確定ボタンより上にまとめる
  • 「変更」「前のページへ戻る」などの直すボタンを置く

6つを書かなかったり、事実と違うことや誤認させることを書いたりして、お客様がそれを信じて申し込んだときは、お客様はあとから申込みを取り消せます。さらに、6つを書かない・事実と違うことを書くことには3年以下の拘禁刑か300万円以下の罰金(両方のこともある)という罰則があり、国から2年以内の業務停止を命じられることもあります。

国民生活センターはお客様に向けて、最終確認画面を保存するよう呼びかけていて、最終確認画面のスクリーンショットは、取り消すときの証拠になると案内しています。なので、売る側も、自分のサイトの最終確認画面を、スマートフォンとパソコンの両方で保存しておくと、あとで何を表示していたかを示せます。

定期便の書き方

国民生活センターに寄せられた、通信販売の定期購入(定期便)の相談は、2025年度に93,065件でした。販売方法が定期購入だった相談を商品で分けると、化粧品が55.7%を占めていて、2023年度も化粧品がいちばん多い商品でした。

初回だけでやめると通常の値段との差額を払ってもらう決まりにするなら、それは解約の条件です。消費者庁のガイドラインは、定期便の最終確認画面に、次のことを書くよう求めています。

回数を決めず、お客様がやめると言うまで続く定期便は、総額が決まりません。その場合は、1年分などで区切った金額を、目安だと分かるように書きます。

仮の例:回数を決めない化粧水の定期便で、1年分の目安を出す仮の数字
初回の商品価格
1,000円
2回目から12回目(3,000円 × 11回)
33,000円
送料(500円 × 12回)
6,000円
1年分の支払総額の目安40,000円

※ やめると言われるまで続く定期便は、1年分の金額などを目安として書くことが望ましいとされています。あわせて、やめると言われるまで続く契約であることも書きます。

※ 数字は、数え方を説明するための仮のものです。

販売ページでも同じで、消費者庁のQ&Aは、回数を決めない定期便は、半年分・1年分などの金額を目安として書くよう勧めています。

定期便で気をつける言葉

定期便の販売ページでよく使う言葉のうち、次の3つは、消費者庁や国民生活センターが、お客様の誤解につながりやすい言葉として挙げています。使うなら、すぐ隣に、回数・総額・解約の条件を同じ大きさの文字で書いてください。

定期便で使い方に気をつける言葉

「お試し」「トライアル」

  • 「お試し」「トライアル」を強く出すと、1回だけの契約や、すぐやめられる契約だと受け取られやすい
  • 実際は定期便なら、強く出さない

「いつでも解約可能」

  • 解約に条件があるのに「いつでも解約可能」と書くと、誤認させるおそれがある
  • 解約の期限や差額の支払いがあるなら、その条件も並べる

「定期縛りなし」

  • 「定期縛りなし」は、1回限りではなく「いつでもやめられる定期購入」のことがある
  • 1回限りでないなら、定期便であることを書く

言葉そのものだけでなく、置き方も見られます。ガイドラインは、初回の量と値段だけを大きく出し、ほかの定期便の条件を小さな文字や離れた場所に書くことで、定期便ではないと思わせる場合も、誤認させる表示に当たるおそれがあるとしています。

景品表示法の打消し表示

打消し表示とは、大きく書いた言葉から、お客様がふつうは予想できない条件や例外を知らせる表示のことです。たとえば販売ページの「初回1,000円」の下に小さく書いた「※4回の継続が条件です」が、これに当たります。

景品表示法(商品を実際より良く見せる表示や、得だと思わせる表示を取り締まる国の法律)は、値段や取引の条件を、実際よりとても有利だと思わせる表示を禁じています。消費者庁は、打消し表示が見落とされたり読んでも分からなかったりする書き方だと、この法律で問題になるおそれがあるとしていて、見るところとして文字の大きさ・大きく書いた言葉との文字の大きさの釣り合い・置く場所・背景との見分けやすさなどを挙げています。

スマートフォンの販売ページでの打消し表示(消費者庁の留意点)

問題になるおそれがある見せ方

  • 「※」の印を付けても、条件を離れた別の画面に書いている
  • たたんだ欄(開くと中身が出る欄)の見出しがあいまいで、開かないと条件が見えない
  • 購入ボタンは大きく書いた言葉と同じ画面にあり、条件は離れた別の画面にある
  • 定期便で初回の安さを大きく出し、解約の条件が読んでも分からないと、総額を誤解させる

求められる見せ方

  • スマートフォンでは、大きく書いた言葉のすぐ隣に打消し表示を置く
  • 文字の色や背景を、大きく書いた言葉とそろえて、ひとまとまりに見せる
  • 同じ画面のほかの表示よりも、目に入る文字の大きさにする

そもそも、大きく書いた言葉と打消し表示が食い違うときは、それだけで問題になるおそれがあります。「何回でも解約自由」と大きく書いて、小さく「4回目まで解約できません」と書くような組み合わせは、打消し表示で直せるものではありません。

化粧品の販売ページで気をつけたい点が、ほかに2つあります。

1つはお客様の体験談の扱いで、「個人の感想です」と添えても、体験談から受ける「たいていの人に効く」という受け取り方はほとんど変わらないとされています。もう1つは成分の試験の結果を出すときで、成分で試験した結果を出すなら、試験の中身と条件を分かりやすく書き、商品そのものの効き目と取り違えさせないよう求められています。

薬機法の広告との関係

化粧品の販売ページには、3つの法律が重なってかかります。特定商取引法と景品表示法は売り方と見せ方を、薬機法(薬や化粧品について決めた国の法律)は効き目の言い方を見ています。

化粧品の販売ページにかかる3つの法律

特定商取引法

  • 見るところ:値段・届け方・返品・解約などの条件の書き方
  • 場所:販売ページと最終確認画面

景品表示法

  • 見るところ:中身や値段・条件を、実際より良く見せていないか
  • 場所:販売ページ全体と広告

薬機法

  • 見るところ:化粧品の効き目の言い方
  • 場所:販売ページ・広告・SNS

効き目の言い方(言える56項目、お客様の声、使用前後の写真、No.1表示、ステマ)は、化粧品の広告・販売ページで言えること/言えないことで確かめられます。景品表示法で、中身を、実際よりもとても良いものだと思わせる表示にどう気をつけるか、課徴金がいくらになるかも、そちらでまとめています。

化粧品OEMの会社一覧に載っている9社のうち、販売ページなどの表現まで確かめると公式サイトに書いていたのは1社で、それも別料金でした。特定商取引法の表記や最終確認画面は、自分のサイトの作りそのものなので、OEM先ではなく自分の側で用意するつもりで進めてください。

ECモールで売るとき

ECモール(楽天市場やAmazonのように、多くの店が出品する通販サイト)で売るときも、お客様と売買の契約をするのは出品する自分です。なので、特定商取引法の表示を受け持つのは自分で、商品ページと店の情報のページに、ここまでの事項を書きます。

ECモールの運営会社と、出品する自分

モールの運営会社

  • 注文の画面(カートと最終確認画面)の作りを用意する
  • 出品者に、所在など出品者を特定するための情報を求めるよう努める
  • 出品者の表示にお客様から苦情が来たら、事情を調べるなどの手を打つよう努める

出品する自分

  • 商品ページに、価格・送料・届ける時期・返品の決まりを書く
  • 店の情報に、名前・住所・電話番号を正しく登録する
  • 定期便なら、回数・総額・解約の条件を商品ページに書く

最終確認画面は、モールが用意した画面を使うことになります。消費者庁のガイドラインは、モール型の通販サイトでは、商品ごとに条件が違うことがあるので、書ききれない条件は商品ページなどに書き、最終確認画面からそこを見られるようにする形でも差し支えないとしています。

なので、出品したら、自分でカートに入れて確定ボタンの手前まで進み、回数・総額・解約の条件がどう出るかを確かめてください。

店の名前や住所は、取引デジタルプラットフォーム消費者保護法という法律にも関わります。この法律では、モールで買ったお客様は、代金の請求などのために、モールの運営会社へ出品者の名前・住所などの開示を求められるとされ、表示がひどく事実と違い、出品者が誰か分からないときは、国は、モールの運営会社に、出品の停止などを求められるとされています。

個人事業者として出品している場合は、条件を満たせば、モールの運営会社やバーチャルオフィスの住所・電話番号を書いてもよいとされています。ただし、モールなどとの間でその住所を連絡先にする合意があり、お客様と確実に連絡がとれることが条件です。

化粧品の出品にはモールごとの決まりもあるので、出品の前に、各モールの出品者向けの規約で確かめてください。

今日やること

  1. 1表記のページを見直す会社の登記どおりの名前・住所・電話番号・返品の決まり・定期便の条件が、省かずに書けているかを確かめる
  2. 2最終確認画面を開いて保存するスマートフォンで確定ボタンの手前まで進み、分量・価格と送料・支払・届ける時期・申込みの期間・解約と返品の6つがボタンより上に出るかを見て、画面を保存する
  3. 3定期便の言葉を直す「お試し」「いつでも解約」「縛りなし」と書いた所の隣に、回数・総額・解約の期限と方法を、同じ大きさの文字で書く

出典